日照権や眺望権めぐる訴訟、住民ら相次ぎ勝訴

 マンションなどの住居空間をめぐる訴訟は、日照権や眺望権といった目に見えない分野へと次第に広がりつつある。入居者の権利意識が高まり、こうした権利が家屋の価格に及ぼす影響が大きいからだ。釜山市海雲台区のロッテ・ギャラリアム・センタムを購入した一部住民は、釜山地裁に集団訴訟を起こし、一審、二審で原告勝訴の判決を得て、現在三審が行われている。

 眺望権をめぐる最近の判例では、2007年8月にソウル市銅雀区の低層ヴィラの住民チョさん(77)ら10人が、高層マンションを建設しようとした建設会社を相手取り、漢江の眺望権を侵害されたとして訴訟を起こし、裁判所が建設会社に対して工事禁止の仮処分を下した。

 当時ソウル中央地裁は、「6階以上の建物の工事は中止せよ」との判決を下した。裁判部は「漢江の景観は(低層ヴィラの住民にとって)かなりの価値があるもの」との認識を示した。

 同年に議政府地裁高陽支所は、高陽市徳陽区のマンション住民の日照権侵害を認め、当初24-25階だった新築マンションの建設計画を16階以下に制限する判決を下している。

 建物の所有者ばかりでなく、居住者も日照権侵害による損害賠償を請求することができる、との判断を裁判所が下したわけだ。

 ソウル市城東区の2-4階の多世帯住宅の所有者キムさんら6人は2008年12月、近隣に18-29階のマンション5棟が新築され、日照権を侵害されたとしてソウル中央地裁に訴訟を起こし、勝訴した。

鄭智燮(チョン・ジソプ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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