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HIV検査キット開発 簡便型、沖縄で製造2008年5月20日 
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開発された簡便型HIV検査キット「Aio―HIV」=19日、県庁

 琉球大学とクニエンタープライズ(東京、森幸博社長)はこのほど、約30日間常温保存できる検査液を含む簡便型HIV(ヒト免疫不全ウイルス)検査キット「Aio―HIV」を開発した。検査液の一定期間の常温保存が可能になったことで、冷蔵設備が完備していない発展途上国でもHIV検査が格段に容易になるとしている。トロピカルテクノセンター(うるま市、比嘉実社長)が国内の製造拠点として製造を請け負い、クニ社が国内外の研究機関に販売展開する。
 森社長によると、これまでのHIV検査薬は常温で2日間ほどしか保存できなかったため、検査は冷蔵設備の整った先進国や途上国の大都市圏だけで普及しているのが現状だったという。発展途上国ではHIVのまん延が指摘されているにもかかわらず、大都市圏に検査に出向いたり、検査薬を生活圏に何日もかけて持ち運ぶことが現実的でないため、検査率は非常に低いという。
 19日に県庁で会見を開いた森社長は「現在は5、6億人規模の市場が50、60億人にも広がるかもしれない。世界に検査を広めたい」と抱負を述べた。
 検査キットはHIV1型とHIV2型の感染について、それぞれ感染して約3週間、約4―8週間以降に陽性反応を確かめられる。琉大医学部の田中勇悦(ゆうえつ)教授によると「酵素標識」と「未標識」の2つの検査液を濃縮することで常温保存が可能になった。使用時には希釈液で薄める。
 検査キットは今月28日から国連や外務省などが横浜で開催する「第4回アフリカ開発会議」での展示が決まっており、今後発展途上国を中心に販売を展開していく。


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