【北京】ノーベル平和賞を受賞した中国の民主活動家で服役中の劉暁波氏(54)は、同賞を1989年の天安門事件のすべての犠牲者にささげると涙ながらに語った。先週末に同氏と面会した妻の劉霞さんが10日明らかにした。
劉霞さんが友人に送った電子メールによると、劉氏は発表翌日の9日に刑務所側から受賞を知らされた。劉氏は「天安門事件の犠牲者は平和、民主主義、自由、さらに非暴力の精神を実現するために自らの命をささげた」と述べた。劉霞さんによれば、劉氏は犠牲者のことを話す時涙を流したという。この電子メールは本紙に転送された。ただ、劉霞さんがいつどこで劉氏に会ったのかは分かっていない。
劉氏は「国家転覆罪」で昨年12月に11年の懲役刑を宣告された。ノルウェーのノーベル平和賞委員会は、受賞理由として「中国における基本的人権を求める長期にわたる非暴力闘争」をあげた。
劉霞さんは8日夜、警察が自宅に来て夫の劉氏と面会させるため、服役している遼寧省錦州まで同行すると告げたと明らかにして以降、外部との電話連絡を絶っている。10日に劉霞さんは自らの簡易ブログ「ツイッター」で、「自宅に戻ってきた。わたしは8日に自宅軟禁となり、携帯電話は壊され、電話を受けることができない状態になっている」と伝えた。
一方、中国警察当局による民主活動家に対する監視が厳しくなっている。8日夜、活動家17人がノーベル賞受賞の祝賀会のため北京市内のレストランに到着したところ、警察に身柄を拘束され中止させられた。