7日のニューヨーク外国為替市場で円相場は一時、1ドル=82円11銭まで上昇し、81円台に接近した。95年5月下旬以来15年4カ月ぶりの円高・ドル安水準。市場で米国の追加金融緩和観測が一段と高まったうえ、週末に開かれる先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)を控え、政府・日銀による為替介入への警戒感が後退したことも影響し、ドル売りが加速した。午前8時半現在は前日比60銭円高・ドル安の1ドル=82円30~40銭。
6日に発表された米雇用関連統計が市場予測に反して悪化し、米連邦準備制度理事会(FRB)が11月初旬の連邦公開市場委員会(FOMC)で、大規模な追加金融緩和を発表するとの観測が一段と強まった。これを受け、同日の米ニューヨーク市場と、7日の東京市場で円買い・ドル売りの動きが強まった。
7日午前の東京市場は1ドル=82円台後半で推移したが、桜井充副財務相が午後の記者会見で、G7での為替政策をめぐる議論について「日本側が思っている方向に進んでいくのは難しいのではないか」と発言。市場の介入警戒感が後退し、円は一時1ドル=82円24銭を付けた。
その後、野田佳彦財務相が同日夕に「必要な時に断固たる措置(をとる)というのは変わらない」とけん制。一時円安方向に振れたが、夜に入ってユーロが対ドルで上昇し、円もつられて買われた。【大久保渉、ワシントン斉藤信宏】
毎日新聞 2010年10月7日 23時48分
PR