「驚異の声」を持つソプラノ歌手として知られた豪オペラ歌手、ジョーン・サザーランドさんが10日、スイスの自宅で死去した。83歳だった。2008年に転倒して両足を骨折して以降、健康状態が良くなかった。
遺族は、サザーランドさんが「長寿を全うし、多くの人々を大いに楽しませた」との声明を発表した。サザーランドさんは夫で指揮者のリチャード・ボニング氏と息子や孫などを残してこの世を去った。
マリア・カラスと並び、20世紀で最高のソプラノ歌手の1人と称された、オーストラリア生まれのサザーランドさんは、1940年代終わりにプロとして活動を開始し、60年にベネチアでイタリアでの初舞台を踏んだ。90年にシドニー・オペラハウスでの最終公演を最後に引退した。61年と81年にグラミー賞を、79年に大英勲章第2位を、91年にはメリット勲章を授与された。
サザーランドさんは生涯で約50の演目に出演し、友人で同氏との共演が多かったルチアーノ・パバロッティ氏からは「世紀の歌声」と称された。