MMA IRONMAN

――ファイトマネーが支払われたのをどうやって知りましたか？
「まずTATAMEが記事を載せてくれたことに感謝したい。おかげでこの件がDREAMスタッフの耳にも入ることになったんだからね。1週間前に彼らからマネージャーに振り込んだという連絡があった。クールだね…。彼らは次の大会に出ないか打診してきたが、今回の件もあって断ったよ」

――彼らは新しい条件を打診して来ましたか？
「彼らは9月25日の大会に出て欲しいと言った。バカ言ってんじゃないよと思ったね。だから僕はこう返答した。『金を払い終えたからって、これから試合をしろっていうのか。最近まで話もしようとしなかったくせに？』ってね。僕はプロフェッショナルだ。これは僕の人生だし、生きるために闘っている。なのにこの仕打ちはないよ。お金だけの問題じゃない。僕は良い試合をしたい。だが練習をしていない。いや、してたとしても信用できない。僕はコンディションが万全じゃないのに試合なんてできないからね。ブラジルに帰って家族に会いに行くよ。彼らは自分たちはちゃんと払ってるし間違ったことはしていないと主張し始めたそうじゃないか。それじゃ試合はできない。試合の20日後に払うと言ってたのに実際は半年後だった。それで試合をしろと言われたら答えはノーだ。次はどうなるか分からないけどね。しばらく様子を見たい」

――彼らは誰との対戦を打診してきましたか？
「彼らは言わなかったけど、高谷裕之だと思う。100％そうだとは言えないけどね。彼は僕とのタイトルマッチを希望してたしね。僕は誰と闘ってもいいけど、試合はフェアでなければならない。お金のためだけの試合だったら3週間前のオファーはお断りだ。国のため、家族のため、友人のために闘うのなら話は別だけどね」

――DREAMのファイトマネー問題についてはどう思いますか？
「うーん、正直に言うと僕が日本で闘うのを辞める時は引退する時だと思ってる。他で闘うことに興味はない。僕の基本は柔術だし、柔術のためなら何でもするという気持ちだ。DREAMは優秀なイベントだけど、今は厳しい状況だ。いつまで続くのかも分からない。でも日本で試合をしたことがある人なら誰でも実感していると思うけど、ファンはとても選手をリスペクトしてくれている。DREAMは素晴らしいイベントだからどんな形になっても続いて欲しい。日本の大会の構成は美しいし、DREAMのようなイベントは必要だ。彼らの問題が解決して良くなることを望んでいる」

――DREAMを離れる時はMMAを引退するということですか？　なぜアメリカで闘おうとは思わないんですか？
「僕はこのスポーツのため、生徒のため、友人のために闘っているけど、アメリカで闘うかは分からないね。この階級のファイトマネーは安いからわざわざ行く価値があるとは思えないんだ。ファイトマネーはせいぜい1万ドルだし、ずっと上がることはないからね。闘うこと自体は好きだから、十分なお金がもらえるのなら柔術で闘い続けたいし、柔術を指導していきたい。神が許す限り闘い続けたい」

――またムンジアルやアブダビ・コンバットのような大きな柔術大会に出場するということですか？
「僕は柔術の五輪競技化キャンペーンに参加している。そのためなら何でもする。もし柔術が五輪競技化されたらどうなるか？　僕は柔術はプロ化されるべきだと思ってる。ブラジリアン柔術は美しいからね。僕は今カナダにいるけど、このスポーツが成長しているのを実感している。生徒もみるみるうちに増えてきてるからね」

――オリンピックで闘いたいという夢を持っているということですか？
「もちろんさ。その時は僕がブラジル代表で選ばれると思ってる。レスリングから転向してくれる人がいたら嬉しいね。僕は柔術をしているし、人生の全てを柔術と神に捧げている。僕の人生は柔術で始まった」

――あなたの時代では無理だとしても、あなたの子供が将来ブラジル代表になっているかもしれませんね。
「神のご加護があればね。たとえ自分が出場できなくても僕の夢はオリンピックで柔術を見ることだ。これは僕だけじゃなくブラジル人全員の夢だ」