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バベルの塔

  • Posted by: 死亡犬
  • 2010-09-21 Tue 01:51:04
  • tAlK

はじめに関係ないのですが、今日結局昨日の記事に書いた映画「96時間」「お買いもの中毒な私」を借りて見ました。

お買い物〜の方は終始、笑いどころがあるドタバタ系のラブコメディ。
定番なのですが、嘘で塗り固めて就職して、万事ことがうまくいくのだけれど落とし穴が待っている。そこにはまってしまし全てを捨ててしまうけれど、新しく生まれ変わってハッピーエンドという感じでした。
見た後にすっきりとした印象を受けた映画。
お勧めできるか?と聞かれると微妙。
結局、笑いのセンスなんかはその人次第なので、パッケージ見て面白そうだと感じるならば楽しめると思います。

96時間は、良い意味でリュック・ベッソンの作品。
スマートです。全体的に。あとかなり非情。情け容赦なし。でもそれがなんていうかスッキリさせてくれます。
後半どっかーんと盛り上がるのではなく、小山が連続するのを上ったり降りたりという感じで終わります。
個人的には面白いです。
アメリカ映画が悪いというわけではなく、こういう見せ方はアリなんじゃないかって感じます。
イメージ的にはセガールのフランス映画版?
スカッ!とする映画をお探しながら是非。山場が続くので時間を忘れて見ることができます。

閑話休題。
ちなみに、このBlogを殆ど定期的に更新しているのも仕事のためだったりします。

私は元々デザイナーの志望でこの業界に入ったのですが、最初の会社が採用する時の条件として「デザイナーは少なくとも美大を出ていないと使い物にならないとウチは考えてるので、それは諦めて欲しい。だけど、デザイナーじゃなくてもサイトをデザインすることに関われるし、君はそっちの方が向いている。ディレクターとしてなら採用するけど、どうする?」と。
地方から都内の会社に面接に行き、都内で働きたかった私は1時間程迷った末に採用して貰いました。
その会社は有名なデザイナーも居ましたし、制作に関わるうちに色々教えて貰ってデザインも勉強しようと。

そして働いている時に「ディレクターは文章が書けないといけない。君には毎日と言わないがなるべく文章を書く習慣をつけて欲しいと思ってる」と言われて、それ以来Blogを書く癖をつけてはいました。
その割にこの3月から5月の空白は?って聞かれると返す言葉がないのですが。

別のBlogで書いてました。
逆に今こっちがメインになってしまって、そっちを何も更新してないという感じですが…。

でもまぁこのBlogで考えをアウトプットすることって、昔と言わず今も結構重要だって意見もありますね。
あまりBALDRSKY関係ない記事ですが、良かったら今回もお読み下さい。
今回は話題のTwitterの話題です。

中村うさぎというエッセイストをご存知でしょうか。
もし私と同世代の方がいて、当時ライトノベルが好きだった方なら「ゴクドー君漫遊記」の作者と言えば、「あーはいはい」と思われるかもしれません。
ちょっとうろ覚えですが、結構前から週刊文春で1Pのエッセイを書いています。(2004年くらいから少なくとも書かれてた)

思い出したのはここ数ヶ月のことです。
定期通院している病院のロビーに週刊文春が置いてあり、「まだ連載してるんだろうか」とページをめくってみると、昔とあまり変らない巻末に近い位置に1Pエッセイが掲載されていました。

話題はTwitterのことでした。
最初に読んだ号では、「何が面白いのかわからない」と書かれていました。
ちなみに余談ですが、Webの世論統計で大体4〜5割の人が登録はしたけれど使い方がわからず辞めてしまうそうです。

次の号では、エッセイに関するお便りは月に1回もこないのにTwitterで何気なく呟いたことに多くの反応があり、RT(ReTweet:再つぶやき このつぶやきは広めたいと思ったときに使う機能)された時は、自分は神にでもなったかのような錯覚すら覚えた。と書かれていました。

Twitterは恐らく他人からレスポンスがあることで面白くなるツールであることは間違いはないです。
延々と独り言を言って面白いか?と聞かれたら面白くないと答える人が多いでしょう。
壁に向かった独り言なら消えますが、Twitterの場合残ってしまいますから、見直すとなんとも言えない気持ちになることもあると思います。

大勢に自分の発言がRTされた時の全能感はまるで、自分の存在が世界に対して認められたかのような感覚は得も言えぬ物がある。と、Twitterにハマる人はこの感覚を一度でも味わってしまったから、辞めるに辞めれなくなるのではないだろうかと書かれています。

次の号、ここからTwitterの側面を面白い解釈をされ始めます。

Twitterというツールは、容易に他者と自分をつなぎとめることができる。
自分という人間がいることを世の中の誰か(少なくともフォローしてくれる人)に周知して貰うことができる。
そんな魔法のツールではないだろうかと。

もし秋葉原通り魔事件の加藤が2chに犯罪予告を出した時代にTwitterがあれば、心配してくれた人が親身に返信したりRTしたりして辞めるように言ったのではないか。
そうすれば加藤は世界から拒絶された、と認識するのではなく、世界と自分は繋がっているという安心感を得ることができ、あの凶行は生まれなかったのではないか。と。

この辺は読んでいて、ちょっと面白かったです。
いつもお馬鹿なことばかり書いてる中村うさぎというエッセイストの評価が変った瞬間だったわけですが…。

この号の結論には、Twitterをすることで自分は世界の一つと感じることができる。
自分と誰かは繋がっているし、その誰かは別の誰かと繋がっている。そのつながりは世界の誰かと繋がり続け、世界中の人と繋がることとなる。
それは即ち「個は全である」という、あの神に至る思想ではないだろうか。
しかしTwitterは同時に個の限界も見せる。
自分がフォローしている人はやはり自分が興味がある範囲の人であるという点。
それは即ち、どこまでいっても人間は自己の趣味趣向を捨てることができず、自己の世界を形成しようとするということだ。

と書いて、この号は終わり。
でなんでこれを書きたかったが、今週号の記事が面白かったから。
個は全であり、全は個でありという神に至る道をTwitterは提供してくれる。
しかしこれは、現代のバベルの塔ではないだろうか?
Twitterという統一ツールで繋がっている今の人類は、バベルの塔を建設していた頃と同じであり、意思疎通ができる。
神に至る道を歩み始めているのではないだろうか。

なんて壮大な話になっています。
ただ面白い発想だなーと思ったわけです。

案外そうなのかもしれない。とも思えるし、そんなバカなと一笑に伏すこともできる。
けれどエッセイはこういう、ちょっと考える切欠になる物だと面白いですね。

ちなみにこの号の最後はエヴァンゲリオンの劇場版(Air/まごころを君に)の最後を出していました。
人類補完計画は結局無理やり個の縛りをなくし、全とした。
それを最後に主人公が「それでも自分は個でありたい」と拒絶したという話だと。
あの警鐘を忘れるなかれ。


そんな壮大な話だったのかと、今頃気づく私は洞察力がないのですが、確かに今のTwitterやFacebookは企業側がどんどんと個を全にしようとしているように思えます。
一人は嫌。誰かと繋がって安心したい。
けれど、最終的に自分は自分なのだと考えなければ、個の境界は容易に失われてしまうよ。って。

それこそ一笑に伏すことができる壮大な話かもしれませんが、ちょっと考えて見ると面白い話かもしれませんね。
ちなみに私はフォロー数見て貰えれば分かる通り、基本他人は他人だという偏屈思考です。
元々あのアカウントでTwitterやり始めた頃なんて、今のように誰かにフォローされてなければ、自分が気になった人の呟きをRSS感覚で収集するだけになっていたと思います。

これは半分冗談ですが、Twitterの導入を勧めたクライアントにはある程度Twitterが面白いと感じて貰うまでは摂待的なことをします。
先に述べた通り「何が面白いか」が分かりづらいのがTwitterです。
だからある程度気分よくTwitterできるまでヨイショするのも必要だと思うのです。
この辺は個人的思考なので、人によっては否定意見もあると思いますけどね。

正しい事なんてのは世の中にどこにもないし、見る方向の違いでしかないので、一つの考えってことで(−`)ノ
凄まじい駄文ですね、読んでくれた方ありがとうございました。

何か考える切欠となったら幸いです。

Comments: 2

1180 URL 2010-09-21 Tue 05:05:38

twitter の本当の面白さを知ったのは、minatosoft さんを見つけてからかもしれない。
あの人はおもしろすぎるw

死亡犬 URL 2010-09-21 Tue 10:30:39

それは何よりヽ(´ー`)ノ
面白い人と話ができるのは、魅力の一つかもしれませんねー。

自分がファンの人(自分のフォローだとLC:AZEの方々や、鋼屋ジンさん、アヴァタールの作者の方)に、失礼かもしれないけれどと思いつつReplyやRTした時に、反応頂けたりすと、うわーご迷惑だったかなーと申し訳ない気分に苛まれつつも、妙に嬉しくなったりはしますね。

とは言えど、大抵は自重してますけど(´ー`;

私はあまりやる気がないのですが、積極的にフォロワーの数を広げていくのも良いのではないでしょうか。

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