最後の旧制高校寮歌祭に57校ＯＢら1000人

　旧制高校の寮歌をＯＢらが歌う「日本寮歌祭」が１１日、東京・新宿で開かれ、約１０００人が一高（現・東大）の「嗚呼玉杯に」などを合唱した。１９６１年に始まった寮歌祭は参加者の高齢化から５０回目の今回で最後となった。

　主催した日本寮歌振興会によると、旧制高校は、現在の大学教養課程に相当し、旧帝国大予科も含めて３８校あった。寮歌は北海道帝国大予科（現・北大）の「都ぞ弥生」や三高（現・京都大）の「紅萌ゆる」が有名。

　今年は、師範学校や旧制専門学校なども加えた５７校が参加。８０歳以上がほとんどで最高齢は１００歳という。校章を染め抜いた法被や、羽織はかまを着込み、約５時間かけて歌い上げた。

　八高（現・名古屋大）出身の松永太さん（８０）は「寮では毎晩、歌ったものだ。１８歳ごろの希望に燃えていた日々を思い出す」と懐かしそうな表情を見せた。

　日本寮歌祭は日比谷公会堂や日本武道館で開催された時期もあり、最盛期には２万人近い参加者がいた。今回で終了することに振興会の神津康雄会長（９２＝旧制山形高校出身）は「寮歌は自分たちで作詞作曲しており、我々の青春や理想が込められている。いさぎよく５０回でやめるが、これからも歌い継いでいきたい」と話した。（共同）

　［2010年10月11日22時4分］