以前から気になっていたことですが、いまだに多くの中学、高校で制服がセーラー服と詰め襟に規制されています。特に公立の学校ではこの服装が多いように思われます。
若いときに知ったことですが、もともとセーラー服と詰め襟は軍人の制服で、詰め襟は主に士官の軍服であり、セーラー服は海軍の下級兵士、水兵の制服だったそうです。
それが軍国主義全盛の戦前から、戦中そして戦後の今日まで、男子学生は詰め襟、女子学生はセーラー服と定められてきたようです。
今や戦後も65年を経過しています。もうこの辺で学生たちを軍服姿から解放できないものでしょうか。
伝統ある制服でしょうが、平和国家を祈念している国として、過去にとらわれることなく軍隊色の濃い制服をなくして、男女ともに明るく和やかな服装にしてはいかがでしょうか。
男子は士官、女子は水兵の軍服姿は、先進国ではあまり例のない学生姿です。
先般広島で行われた平和記念式典では、アメリカ大使や国連事務総長をはじめ世界74カ国が参加していましたが、その中で男女2人の学生が平和の鐘を撞(つ)いていました。その服装がセーラー服と詰め襟でなかったことに、深い感銘を受けました。
口で唱える百万遍の平和より、軍事色のない穏やかな学生姿こそ世界平和への一歩だと確信いたします。
毎日新聞 2010年10月11日 西部朝刊