手錠と警棒持った「さとけ観音」お披露目

　手錠と警棒を持ち、にらみを利かす観音さま－。愛知県半田市の大昌寺の住職国分広次さん（５５）が詐欺や窃盗などの犯罪撲滅を願い、一風変わった観音像を建立、１０日に除幕式を開いた。

　愛称は、「ほとけ」ならぬ「さとけ観音」。詐欺の「さ」、盗難の「と」、けがもないようにという意味の「け」から命名した。

　式には知人や警察関係者らが参加。幕が取り払われると、高さ約２・４メートルの観音像が現れた。手錠と警棒は「やさしい観音さまも怒っているぞ」という犯人へのメッセージ。

　国分さんも約５年前、寸借詐欺に遭遇。「財布をすられたので、交通費を借りたい」と言われて貸したが、連絡先はうそだった。「詐欺は人の心を傷つける」と思い立った。「詐欺の被害者の気持ちを癒やしたい」と話し、趣旨に賛同する寺院に、同様の観音像建立を呼び掛けている。（共同）

　［2010年10月10日22時24分］