この度は、当社社員の不注意な行動により、関係各位の皆様に大変なご心配とご迷惑をお掛けいたしましたことを深くお詫び申し上げます。また、本日帰国しました高橋を含め、当社社員の解放に当たりましては、関係各方面の一方ならぬご尽力を賜りましたことを、心より感謝申し上げます。
本件の推移につきまして、下記のとおりご報告させていただきますので、何卒ご理解賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。
記
1.本件の経緯
9月20日から中国河北省石家荘市に遺棄化学兵器廃棄処理事業に関する現地調査に行った当社邦人社員4名及び現地中国人社員1名と連絡がつかなくなっていたところ、23日夜に中国国営新華社通信が、中国当局が当社社員を取り調べている旨、報道しました。そして9月30日に邦人社員3名及び中国人社員1名が解放され、昨日10月9日に高橋定が解放されたものです。
2.現地調査に赴いた理由
当社は本年、南京で遺棄化学兵器処理関連工事(8月完成)に参画させていただきましたが、その第二弾ともいうべきプロジェクトの機械メーカー対応業務の内容がまず公示されました。当社は当該事業が実施される石家荘市における事業の経験がないため、当社として前回同様建設工事部分に取り組めるかどうかを調査すべく、現地の事情を視察することとしたものです。
3.この時期に調査を実施した理由
今年中に現地調査を実施しておきたいとの状況の中で、現地は10月以降急に寒さが厳しくなること、また日本と現地のスタッフが合同で調査を実施するためにスケジュールを調整する必要があった結果、この時期に調査を実施することとしたものです。
4.取調べを受けた経緯
当社社員は、9月20日朝に石家荘の空港に到着した後、レンタカーで石家荘市内を通過して、プロジェクトの予定地周辺を目指しました。午前11時半頃、予定地に近いと思われる細い道に入って進んだところ、進入禁止の看板があるゲートがあったので、その手前で車を止めました。その場所で不注意にもゲートの写真、ビデオ撮影を行いましたが、その時にはその奥に軍事禁区の表示があることに気が付いておりませんでした。
引き返そうとした時、偶然後ろから軍関係の車両が入ってきて車が動けなくなり、ゲートの中から監視の人が来て車から全員降ろされ、4時間半ほど足止めされた後、取調べを受けることが決まりました。
5.取調べを受けた場所など
最初に、20日から21日の夕方までホテルで取調べを受けたあと、21日に別のホテルに、また24日に軍の宿泊施設のような場所に移動し、それぞれ別々の部屋で過ごしました。さらに高橋のみ29日の深夜に政府系の保養所のような場所へ移動しました。4人に共通して、取調べは紳士的であり、食事や施設面での対応も丁重なものでした。
6.取調べの内容
取調べの内容は、主に何をしに来たのか、何故拘束された場所に行ったのか、何故立ち入り禁止区域で写真やビデオを撮影したのか、などです。
7.高橋の解放が遅れた理由
高橋が、30日に3人が解放された後も一人残された理由については、中国当局から特段の説明はありませんでした。あくまで想像の範囲ではありますが、高橋がビデオを撮影したため、というのが理由ではないかと推測しております。
8.解放時の措置
高橋を含めた4人は、軍の管理区域であることに気付かなかったとはいえ、そこに入り写真・ビデオを撮影したことに関して、始末書のようなものを提出しております。また4人とも出入国禁止等の処分はないと、中国当局より説明を受けております。高橋はこれに加えて保証金5万元を支払っております。(この保証金は今後1年間、中国の法律に違反することがなければ返還される、との説明を受けております。)
以 上