ウリ坊に乗る子ザルが襲われ、大ケガ

　京都府の福知山市動物園で、イノシシの赤ちゃん「ウリ坊」の背に乗って走り回る姿が人気の子ザル「みわ」が園内のアライグマに襲われ、全治１０日前後のけがをしていたことが９日、動物園への取材で分かった。このため、動物園では１日４～５回行われていた目玉行事、みわとウリ坊の園内散歩を一時休止する。

　同園によると８日午後、いつものように散歩をしていたみわが、ウリ坊から降りてアライグマ舎に近づいた。ちょうど舎ではオリ越しに来園客がパンを与えているところで、アライグマは「餌を取られる」と思ったのか、オリの間から手を伸ばしてみわの足をつかみ、ツメでひっかくなどしたという。みわは手足に１９針縫うけがを負った。

　同園によると、治療を終えたみわはその日の夕食を食べないなどショックを受けていた様子。だが一夜明けると牛乳に浸したパンとバナナの朝食をもりもり食べるなど、すっかり元気を取り戻しているという。園では傷がふさがるまで無理はさせない方針で、散歩は来週末から再開予定。一方、相棒のウリ坊は、オリから出しても走りださないなどさみしそうだった。

　みわとウリ坊はともに生後４カ月。６月に同園に保護されて以来、２匹が仲良く散歩する姿が人気を呼び、本年度の同園来園者はすでに昨年を上回る６万人を超えている。二本松俊邦園長（６５）は「目を離した一瞬のすきにこのようなことが起きてしまい、大変残念。早く回復してほしい」と話していた。

　［2010年10月10日7時55分　紙面から］