米3Dアニメ映画「怪盗グルーの月泥棒 3D」のジャパンプレミアが10日、東京・伊豆諸島の式根島で行われ、日本語吹き替え版の声優を務めた落語家の笑福亭鶴瓶(58)が出席した。悪天候のため、当初乗るはずだった飛行機が飛ばず、急きょ、高速ジェット船に乗り、予定より2時間遅れで何とか上陸。試写会後の舞台あいさつにギリギリ間に合い、島民230人と交流した。
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映画館のない離島で、3Dの上映会をやろう。そんな夢あふれる企画なのに、主役が上陸できない…。あわやの事態に、さすがの鶴瓶も冷や汗をかいた。
伊豆七島の一つ、東京都心から南方160キロに位置する式根島には、調布空港から新島に飛行機(約40分)、新島から船(約10分)で式根島に入る予定だった。しかし鶴瓶が乗るはずだった早朝の飛行機は、悪天候のため欠航に。急きょ、高速ジェット船での島入りとなったが、こちらも「上陸はできないかもしれない」という“条件つき出航”となった。
うねる波の中に揺られること約4時間、何とか島に到着したのは、当初の予定から約2時間遅れの午前11時40分。鶴瓶は、正午から式根島中学校で始まった舞台あいさつに滑り込みセーフで間に合い、「ほんまに来られへんかと思ったわ〜」と汗をふきつつ笑顔であいさつ。人口570人の約40%にあたる230人の島民から大歓声を浴びた。
同プレミアは配給の東宝東和が「映画館に行けない人に、最新の3D映画をスクリーンで体感してほしい」と企画。式根島に、大型貨物船で3Dの上映機材やスクリーンを運搬し、実現した。
鶴瓶は「面白かったでしょ?きっといい思い出になるよ〜。中学校の体育館で3D映画を見たことが」とトーク。島民からの質疑応答では「逆に僕から聞きたい」と本土から島に嫁いだ女性に島の感想を聞いたり、子供の進路相談に乗ったりと、得意の話術で島中を爆笑に包んでいた。