アルバレス(左)のパンチを浴びる石田(AP=共同)
「WBA世界Sウエルター級王座決定戦」(9日、テピク)
同級暫定王者・石田順裕(35)=金沢=は、32歳のリゴベルト・アルバレス(メキシコ)に1‐2(113‐114、114‐113、112‐115)で判定負けし、正規王座獲得はならなかった。石田はアウトボクシングで主導権を握りかけたが、左右のフックを繰り出すアルバレスに間合いを詰められた。7回には左をかわしきれずにダウンを喫した。石田の戦績は30戦22勝(7KO)6敗2分け。アルバレスは28戦26勝(19KO)2敗。
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名乗りを受けたアルバレスは両目の上に裂傷を負い、顔は朱に染まっていた。石田が「相手の顔と僕の顔を見比べたら、どっちが勝ったか分かるはず」と、判定に不満を口にしたほどの小差判定だった。ただ、左ジャブで距離を取った石田に対し、アルバレスは愚直に前に出た。敵地の観衆はアルバレスの浅いパンチにも大いに沸いた。石田にはガードを下げて相手を挑発するなど不要な行為もあった。
昨夏に念願の世界初挑戦を実らせたが、昨年末以来の試合はなかなか確定しなかった。去就についての明言を避けた35歳が再起の道を選んでも、それは平たんではない。
(2010年10月10日)