2010年10月11日16時35分
11日、ハノイ市内で米国のゲーツ国防長官と会談した北沢俊美防衛相(左)=AP
【ハノイ=河口健太郎】ベトナム訪問中の北沢俊美防衛相は11日、ハノイ市内で米国のゲーツ国防長官と会談した。日本側の説明によると、尖閣諸島沖の衝突事件をめぐり、ゲーツ氏は「海洋での様々な関係国の間で、緊密な連携を続けていくことが重要」と述べ、日米共同で活動する重要性で一致した。
会談で北沢氏は「法律に基づいて厳正かつ粛々と対応した」と、衝突事件への日本側の対応を説明。尖閣諸島の問題に関連して、ゲーツ氏が米国で「我々は同盟の責任を遂行する」と発言したことに、北沢氏が謝意を表した。
北沢氏はまた、原則すべての武器の輸出を禁じる「武器輸出三原則」の見直し方針について、「政府内の理解を得られるよう努力する」とゲーツ氏に伝えた。ゲーツ氏は「大変前向きなことで、大いに歓迎する」と応じたという。武器輸出三原則の見直しについて、北沢氏は会談で「長い自民党政権の中でもなかなかできなかったこと。しっかり実現するには内閣の意見の統一が一番大事だ」との考えを示した。
米軍普天間飛行場の移設問題については、ゲーツ氏が「普天間の移設やグアム移転などを着実に進めていくことが重要だ」と指摘。北沢氏は「(5月の)日米間の合意を確実に実施していく決意に変わりはない」と表明し、沖縄の負担軽減の実現や基地の日米共同使用に向けて米側の協力を求めた。
日本政府が在日米軍の駐留経費の一部を負担する「思いやり予算」については、北沢氏が、公開の「政策コンテスト」で採否が議論される特別枠に予算要望を回した事情を説明。「日米間できちんとした合意が得られるように、自分としてもしっかり取り組んでいきたい」と述べた。ゲーツ氏は「同盟にとって重要だ」と応じた。