現在位置:
  1. asahi.com
  2. ニュース
  3. 政治
  4. 国政
  5. 記事

日中官民交流が本格再開 万博に千人再招待・防衛相会談

2010年10月11日21時56分

印刷印刷用画面を開く

Check

このエントリをはてなブックマークに追加 Yahoo!ブックマークに登録 このエントリをdel.icio.usに登録 このエントリをlivedoorクリップに登録 このエントリをBuzzurlに登録

 外務省は10日、沖縄県尖閣諸島沖での衝突事件の影響で中国政府が延期を申し出ていた1千人規模の「日本青年上海万博訪問団」について、中国政府側から改めて受け入れるとの連絡があったことを明らかにした。また、ベトナム訪問中の北沢俊美防衛相と中国の梁光烈国防相との日中防衛相会談が11日にハノイで開催される日程が固まった。日中の官民交流が本格的に再開されることになった。

 万博訪問団の受け入れ再開は、菅直人首相と中国の温家宝(ウェン・チアパオ)首相が4日に会い、両国の民間交流の復活を合意したことを受けての措置とみられる。中国側の受け入れを担う中華全国青年連合会の担当者も10日、同訪問団の実施方針を確認し、9日に日本側に通知したことを明らかにした。日本側の実施団体である日中友好会館(東京)は10日、今月末の万博閉幕直前にあたる27〜30日の日程で改めて派遣する方針を決定。参加者を募集してきた自治体や大学などとの調整を始めた。

 外務省幹部は、交流再開の連絡があったのが、準大手ゼネコン「フジタ」社員のすべての拘束が解けたのと同じタイミングだと指摘。「両首脳の会談を受け、中国側が関係改善に動き出した表れ」(幹部)とみている。

 訪問団は今年5月、来日した温首相が当時の鳩山由紀夫首相に提案して両国で合意。当初、9月21日から3泊4日の日程で日本から約1千人の学生らを派遣する予定だった。だが、衝突事件の影響で中国側が出発直前の9月19日夜、突然、受け入れ延期を通告していた。

 交流の復活について外務省幹部の一人は「前向きに考えたいが、すでに大学の授業が本格化しており、1千人規模で派遣できるかは疑問だ」と話している。

 一方、日中防衛相会談は、菅首相と温首相との「懇談」でハイレベル交渉の再開を確認後、日中閣僚級の会談として初めてとなる。衝突事件を受け、中国側は閣僚級以上の交流停止を表明していた。

 この会談で北沢氏は日中間の「戦略的互恵関係」を改めて確認。海上自衛隊と中国海軍の偶発的な衝突を避けるホットライン開設など「海上連絡メカニズム」の検討を加速するよう促す考えだ。(山口博敬、北京=古谷浩一、ハノイ=河口健太郎)

関連トピックス

PR情報
検索フォーム

おすすめリンク

統一地方選に大勝負をかける橋下知事。既成政党と激しいバトルを始めた知事の狙いとは。

アメリカを巧みに動かしてきたカナダの外交戦略や外交術を分析してみると…。

中東ニュースがわかりにくいのは、何事にも過去の経緯があるからです。最新ニュースをを理解するために知る必要がある用語や基礎知識を、中東駐在の川上編集委員が分かりやすく解説します。


    朝日新聞購読のご案内
    新聞購読のご案内 事業・サービス紹介