元映画監督・篠田正浩さん、池部さんの訃報に「残念です」

　元映画監督の篠田正浩さん（７９）は俳優・池部良さんの訃報にショックを受けた。「長谷川一夫以来の二枚目俳優だった。先月２５日、リンカーンセンターで行われたニューヨーク映画祭（１０日まで）で僕の監督作１２本の特集上映があった。そのオープニングが池部さんがヤクザ役で主演した『乾いた花』（６４年）。満場の拍手が起こり、池部さんに報告しなければと思っていた矢先。残念です」と話した。

　主演オファーしたのは池部さんは舞台でせりふが覚えられず、菊田一夫さんから降板させられた時だったという。「『ひやかしに来たのか』と言われたが、『演技を超え、色気や姿の美しさを持っている。こんなに映画的な人はいない』と口説いた。初日は７ページのせりふがあったが、よどみなくやりとげられた。作品は１本だけだったが、ずっとゴルフなどで付き合っていただいた。文体にもスタイルを持っていた」と振り返った。