取り調べ可視化訴え　冤罪考える会が大会　西宮　

　冤罪（えんざい）事件の被害者を支援する「日本国民救援会兵庫県本部」は９日、西宮市内で大会を開き、警察や検察による容疑者取り調べの実態などを報告、捜査の全面可視化の必要性を訴えた。

　大会には冤罪事件の当事者らでつくる「関西えん罪事件連絡会・たんぽぽの会」の会員も参加。名張ぶどう酒事件など各地の事例を紹介しながら、取り調べの問題点などを挙げた。

　強制わいせつ事件で無罪を主張してきた西播磨在住の５０代の男性は「検事は机をたたき『認めないなら帰さない』と迫った。警察より怖かった」と振り返り、「無実を訴え続ける資金も気力もなく、泣き寝入りしている被害者は多い」と指摘。

　西宮市で起きた死亡事故で有罪判決が確定し、再審請求も却下された男性（６１）は「裁判官や社会にも起訴＝有罪という先入観がある。証拠も含め司法をもっと公開して」と訴えた。

　また、大阪地検特捜部による証拠改ざん・隠ぺい事件に絡み、同様の不正捜査が過去になかったかどうかの検証や、取り調べの全面可視化などを神戸地検に求める決議を可決した。

（広畑千春）

(2010/10/10 10:40)