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広島・前田健、カープ初の“投手3冠”22歳で頂点に

最終戦終了後、前田健(右)と握手する今季で引退する広島・高橋建

 <広島6−4ヤクルト>大声で前田健を呼び止める人がいた。2度、3度と「マエケン!」を繰り返す。振り向くと、そこには満面の笑顔の野村監督がいた。カープ史上初の「3冠投手」とガッチリと握手を交わす。

 「実感はまだないですけど“カープ初”とか“最年少”というのが一番嬉しいですね」

 プロ4年目、22歳にして投手の頂点に立った。この試合までに最多勝、最優秀防御率は獲得。残る最多奪三振はヤクルト・村中との争いだった。その差は13。ベンチ入りし、スタンバイした前田健の前で決着はあっけなく付いた。打線は5回で先発の村中をマウンドから引きずり下ろし、奪われた三振はわずか2つ。

 「最後の方はプレッシャーもあった。防御率は余裕があったけど、勝つことも三振も取らないといけないですから」

 4年目で一気に球界のエースの座にまで登り詰めた。野村監督も飛躍的な成長を遂げた右腕に絶対的な信頼を置く。「これぐらい当たり前だという選手になってほしい」

 今季の屈辱を胸に、来季に巻き返しを期す。赤ヘル軍団に揺るぎない柱が立った。

試合結果

[ 2010年10月11日付 ]

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