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線路で「死のう」と62歳、喜劇的生還 (2/2ページ)

2010.10.12 05:04
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 埼玉県警浦和署に逮捕されたのは、同県川口市の無職、荒川修一郎容疑者(62)。逮捕容疑は、11日午前7時50分ごろ、JR南浦和駅(さいたま市南区)のホームから約1メートル下の京浜東北線の線路内に座り込み、大宮発蒲田行き普通電車(10両編成)を急停止させ、JR東日本の運行業務を妨害した疑い。

 浦和署によると、荒川容疑者は、ホームの端から線路に飛び降りて座り込んだものの、電車が同駅に近づいてくると怖くなり、衝突直前に線路上でうつぶせになった。同容疑者の体は急停止する電車の車体の下にそのまま潜り込む形で、5両ほどが通過したという。JR東日本大宮支社によると「線路から車体底までは45〜50センチ」あった。

 幸運なことに、荒川容疑者は背中部分のシャツを車体底にこすっただけで、けがといえば、うつぶせになった際に砂利で肘をすりむいた程度の軽傷だった。だが、同容疑者は「電車を止めてしまった〜」と“パニック状態”に陥り、駅員らが駆け付ける前に車体下から抜け出し、自宅に逃げ帰ってしまった。

 なぜ、身元が分かったのか? 実は、早朝から姿を消し、連絡が取れなくなっていた荒川容疑者を心配した兄(71)=同県さいたま市=が探し回っていた。そんな時、南浦和駅で起きている人身事故騒動に気づき、「もしかしたら弟かもしれない」と浦和署に通報した。

 浦和署員が同容疑者宅に電話すると、帰宅していた同容疑者が自ら電話口に出て「線路に飛び降りたのは私です」などと話したため、署員が出向いて逮捕した。調べに、「仕事もないのに借金があって…、死のうと思いました」などと供述、容疑を認めているという。

 京浜東北線は、荒川容疑者の捜索や車両点検で約1時間、運転を中止。並走する東北線、高崎線、湘南新宿ラインの乗客なども含め1万1700人の足に影響が出た。



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