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【プロ野球】

ロッテ連勝で突破 9回里崎同点弾、11回井口決めた

2010年10月11日 紙面から

西武−ロッテ 西武に連勝しCSファイナルステージ進出を決め、ハイタッチで喜ぶ里崎(左)と井口=西武ドームで(由木直子撮影)

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◇ロッテ5−4西武

 井口だ、里崎だ、ミラクルロッテだ!! ロッテが連日の逆転勝利でCSファイナルステージ進出を決めた。10日のパ・リーグCSファーストステージ第2戦(西武ドーム)で、ロッテは9回に里崎智也捕手(34)の同点ソロで2試合連続の延長戦に持ち込むと、11回に井口資仁内野手(35)が中前に決勝打。前日の4点差に続き、3点差をはねのける逆転勝ちだった。西村徳文監督(50)は「全員での勝利」と笑顔。リーグ優勝したソフトバンクと戦うファイナルステージは、14日からヤフードームで行われる。

 ここまでくると、“ミラクルロッテ”と言うしかない。勝った。「和」の野球が2日連続で奇跡を巻き起こし、一丸となって勝利の風を西武ドームに吹かせた。

 一時は3点のビハインドをつけられたが、動じずに1点ずつ追い上げていく。そして、9回にドラマが待っていた。主役はCSにあわせて復帰の里崎だ。初球をたたいた打球はロッテファンの歓声の中、左翼席へ。一振りで同点に追いついた。7回の適時打に続き、貴重な一撃となった。

 「左手首が痛くバットが振れるかなと思ったが、逆に力が抜けてコンパクトに振れた」と里崎。9回の同点打は2日連続だ。直前の8回には、2死二塁からの左前打で本塁に突入してきた佐藤の生還を左手首を痛めながらも阻止するビッグプレーも。満身創痍(そうい)の男が安打を打たれた吉見を救う気迫のプレー。誰かが誰かを救う「和」を見せた里崎の姿に燃えたのが井口だ。

 延長11回2死一、二塁の好機で中前へ決勝の適時打。獅子に引導を渡した。2日連続で9回に同点とし、11回に勝ち越すスーパーミラクル。「引き分けじゃ意味がないので、絶対に勝ちたいと思ってた。最後で結果が出てホッとしてます」と井口。「2軍が長かったから。頑張って良かった」と声をつまらせた里崎の思いにこたえる一打で、2連勝でのファーストステージ突破を決めた。

 「スローガン“和”の通りの勝利。あきらめない、絶対に勝つという気持ちの表れですね」と激闘を振り返る西村監督。目は感激で真っ赤だ。レギュラーシーズン最後の千葉3連戦をあわせると5連勝。「選手の頑張りがすべて」。がけっぷちからはい上がったナインを素直にたたえた。

 いざ、ファイナルステージの地・福岡へ。「本当に一つになっている」と井口。まさに一丸だ。西村監督は「気を緩めることなくやる。涙は最後に取っておきますよ」と引き締めるが、ロッカールームには「優勝するぞ」の絶叫がこだました。怖いものはない。「和」の野球の快進撃はまだまだ続く。 (川越亮太)

 

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