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中国、拘束のベトナム漁船員9人を解放 南シナ海で拿捕

2010年10月11日21時31分

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 【ハノイ=塚本和人、峯村健司】中国とベトナムなどが領有権を争う南シナ海の西沙(パラセル)諸島の周辺海域で中国当局に拿捕(だほ)され、拘束されていたベトナム漁船の船員9人が10日に解放されたことがわかった。ベトナムのタイン国防相が11日、東南アジア諸国連合(ASEAN)国防相会議が行われたハノイで記者団に明らかにした。

 ハノイでは12日にASEAN10カ国と日中米ロなど8カ国の国防相が初めて集まる拡大国防相会議が開かれる予定。中国としては会議を前に、経済面での結びつきを強める議長国ベトナムやASEAN諸国との摩擦要因を取り除いた形だ。タイン氏は「中国側は人道的な姿勢を示している」と歓迎した。

 また、ベトナムメディアによると、タイン氏は10日、ハノイを訪問中の中国の梁光烈国防相と会談。海上合同パトロールなどについて協議した。

 この事件をめぐっては、9月11日の発生直後から両国政府が外交ルートを通じて交渉を続けてきた。中国側が罰金の支払いを求める一方、ベトナム側は主権を主張したうえで即時無条件の解放を要求するなど緊張が高まっていた。

 タイン氏は、双方の漁船とも相手側の主張する海域に入って操業することは避けられないとの認識を示し、「両国海軍の間には共同パトロールのメカニズムがある。これは安全を維持し、漁師の操業にも有益となる」と述べ、協力強化の重要性を指摘した。

 ただ、中国は南シナ海で強硬姿勢を強めており、10日付の中国共産党機関紙、人民日報によると、中国国家海洋局の孫志輝局長が海洋権益保護などのため海上での監視を強め、取り締まりに力を入れる考えを明らかにした。巡視活動の定期化や範囲の拡大にも努めていくとされ、両国の緊張は今後高まるとの見方も出ている。

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