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【石川】

資源ごみ 分別の金沢標的? 持ち去り禁止条例違反多発

2010年9月17日

ごみステーションには持ち去り禁止の看板があるものの、持ち去りは後を絶たない=金沢市内で

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暴力、トラブル深刻 注意の前に通報求める

 ごみステーション(集積場)からの換金目的の資源ごみ持ち去りを防止するため、金沢市が昨年四月に県内で初めて施行した「禁止条例」の違反者への警告が二十八件に上ったことが同市への取材で分かった。分別収集が徹底された金沢が狙われやすいとの情報があるうえ注意する市職員に暴力を振るうなど違反者の凶悪化も深刻。市は住民の安全のため、注意する前に市や警察へ通報するよう求めている。(室木泰彦)

 禁止条例は、市の資源ごみ処理関連条例を改正して施行。職員が回収業務やパトロール中に持ち去りを目撃した場合など、条例周知も兼ねて違反者に警告書を手渡している。二度目の違反者には命令書を用意し、従わない場合は警察が摘発に動くが、現時点で摘発された事例はない。

 同市によると、金属価格の高騰を受け、二〇〇八年夏ごろから換金目的とみられる家電製品や自転車などの持ち去りが急増。最近は大阪や京都など関西ナンバーの車が多く、違反者は「金沢は分別回収が進んでいて持ち去りやすい」などと話し、この種の情報が回収業者に広まっている可能性が高い。市担当者は「不況で背に腹は代えられず、半ば摘発覚悟の業者も多い」とみる。

 違反者の凶悪化も懸念される。十五日も市内でごみを持ち去ろうとした中国籍の廃品回収業の男(41)が、警告した市職員に腹を立て体当たりしたとして、金沢東署に暴行容疑で現行犯逮捕された。

 集積場を管理する町会の住民が、持ち去りを注意しようとして怒鳴られたり、にらまれるなどのトラブルも多く、町会側から警察にパトロール強化の要請も出ている。市は住民に対して「違反者が逆上して暴力的になると危険」と注意を促している。

 

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