韓国・釜山市の伝統家具職人、孫韓眞(ソンハンジン)さん(48)が「家具を通じた日韓交流に一役買いたい」と大川木工まつりに初出展。大川産業会館1階に、たんす、腰掛け、小物など9点を並べている。
孫さんは、日本の知人を通じて“木工の街・大川”の存在を知り、4月に開かれた「春の大川木工まつり」を視察。韓国の茶道愛好家に人気がある自分の作品を、茶の文化でつながる日本で披露したいと思い立った。
孫さんの家具は、焼き技法で炭化させた黒色の木材にのこで凸凹をつけつつ、木本来の模様を生かしている。骨太さとともに骨董(こっとう)品のような味わいがあり、来場者も「日本にはない趣がある」と足を止めている。
妻の鄭明来(チョンミョンネ)さん(47)と一緒に会場に立つ孫さんは「若いころ、日本の骨董品が好きだった。私の家具も日本の方々に気に入ってもらえるはずです」と期待。大川の家具職人との交流も楽しみにしているといい、「将来は釜山に職人を呼びたい」と話している。
=2010/10/10付 西日本新聞朝刊=