ソウル大法学部出身者、検察官離れが深刻化

新任検察官に占める割合、20年で5割から2割に

 新任の検察官のうち、ソウル大法学部出身者が占める割合は、20年前には約50%だったが、今年は約20%まで減少したことが分かった。

 法務部が国会法制司法委員会のイ・ドゥア議員(ハンナラ党)に提出した資料によると、今年採用された検察官117人のうち、ソウル大法学部出身者は24人で、全体の21%だったという。

 20年前の1990年には、新任の検察官のほぼ半数に当たる49%(70人中34人)をソウル大法学部の出身者が占め、また現職の検事長クラスの幹部53人のうち同出身者が60%(32人)を占めているが、現在はその割合が大幅に減少したというわけだ。

 特に今年の場合、軍法務官の出身者を除く、新規採用の検察官95人のうち、ソウル大法学部の出身者は16人(17%)にとどまった。

 こうした現象は、2002年以降、司法試験の合格者が1000人を超えるようになったことで、ソウル大の法学部以外の学部出身や、ほかの大学出身の法曹人が増えたことが第1の理由だが、司法研修院で成績が上位の人たちが検察を避けるという傾向が反映されたとの見方が出ている。

 法曹界では、▲過去に比べ、検察権の行使に対する制約が強まった▲弁護士として開業する際、検察官出身者は裁判官出身者に比べ期待収入が少ない▲さまざまな違法行為により、検察に対するイメージが失墜した▲上命下服型の組織文化に対する拒否感が強い-といったことが、検察の人気が低下した原因として指摘している。

 検察のある幹部は、「新世代(現代っ子)に、正義のために戦うという使命感だけを求めるのは容易ではない。検察がハイレベルな人材を迎え入れるため、深く苦悩するべきときなのかもしれない」と語った。

 一方、裁判官の場合も、検察官に比べ減少幅は小さいものの、新任の裁判官に占めるソウル大法学部出身者の比率は、1990年の61%から、今年は35%まで低下した。

 なお、ソウル大出身者全体で見た場合、検察官に占める割合はこの20年で53%から38%に、裁判官は同じく63%から54%に低下した。

 最近、司法研修院で成績が上位の人たちは、大手法律事務所を好む傾向があるとみられる。同院の成績が20位台だった、大手法律事務所の弁護士(31)は、「訴訟に関する業務よりも、企業の法律顧問としての業務を学び、ビジネスの世界で成功したいと思ったため、裁判官や検察官には関心がなかった」と語った。

 司法研修院で成績が上位の人たちがこぞって大手法律事務所を目指すようになったため、裁判官として採用できる「ボーダーライン」が、2008年には130位台だったが、今年は170位台に下がったという。また、検察官も同じく350位前後の人が採用されているとのことだ。

 司法研修院のある教授は、「新世代が地方での勤務を避けることに加え、すぐに1億ウォン(約730万円)以上の年俸を受け取りたがるため、大手法律事務所の人気が高まっているのではないか。100位以内の人は大手法律事務所と裁判官しか選択肢がないといってよいだろう」と話した。

孫振碩(ソン・ジンソク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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