沖縄自動車道でのトラブルが倍増している。県警によると、高速道路無料化実験が始まった6月下旬から2カ月間で、物損事故は146件(前年同期比73件増)に上る。日本自動車連盟(JAF)のロードサービス出動件数は7月が86件で前年同期比54%増、8月が79件で同93%増。交通量の増加に伴っているとみられ、渋滞も目立つようになった。県警は車間距離の保持など、走行の基本ルール徹底を呼び掛ける。(松田興平、吉川毅、浦崎直己)
事故は同道全域にわたり、主に本線上で発生。今月5日には、沖縄南~北中城インター間で乗用車5台が絡む物損事故があり、最長約3キロ渋滞した。
プロドライバーにとって事故や渋滞は深刻だ。
沖縄ヤマト運輸では出発時間を早めるなどして対応する。インターチェンジ出口付近の混雑を抜けるのに1時間かかることもあり、「業者にとっては厳しい状況。不特定多数の車が混ざり、安全面からも怖い」と担当者。
走行車線、追い越し車線の使い分けができていなかったり、車間距離の近い車両が目についたりするという。
日本道路交通情報センターは「一般道と違って、沖縄自動車道は込む時間にばらつきがある」と話す。無料化以降、同道の渋滞情報の問い合わせ割合は3割増え、全体の約8割を占めるようになった。
「思い思いのタイミングで利用する人が多いのだろう。徐々に問い合わせも減っているので、ドライバーの使い方も落ち着いてきたのではないか」と推測。
仕事で使用する会社員男性(43)も「いつ事故が起こってもおかしくない。有料でも利用したい、という人が使えばいいのでは」と指摘する。
無料化歓迎も
一方、歓迎の声も。実家や買い物へ行くため週3回は使うという稲福恵子さん(57)=金武町=は「このまま無料を続けてほしい」と賛成する。
県警は「交通量が増したことでルールを守らない運転も多くなった。また、慣れた時こそ大事故を招きやすいので、一層の注意喚起を」と求めている。