三次市吉舎町の住民と中国山地やまなみ大学本部でつくる「吉舎町体験交流旅づくりの会」が企画したモニターツアーの参加者13人が9、10の両日、同町を訪れた。9日夜は辻八幡神社一帯であった広島県無形民俗文化財の伝統神事「辻八幡の神殿入(こうぞのり)」を体験した。
午後9時の花火を合図に、ツアー客は約80戸の氏子とともに参道入り口に集合。かねや太鼓の音が響く中、赤や緑の灯籠(とうろう)5〜8個をつるしたササを手に神社までの約500メートルを歩いた。
神社周辺はコイや五重塔などをかたどった約6千個の灯籠が飾られた。広島市西区の主婦村井紀歌代さん(63)は「祭りへの参加は地元の人と一体になったよう。きれいで感動した」と満喫していた。
ツアーは地元の観光資源を生かして町を活性化するため、旅づくりの会が昨秋から計画。一行は特産品のヤマノイモやワニ(サメ)料理を味わったほか、10日は住民ボランティアのガイドで卯建
(うだつ)の残る街並みも回った。
連合会の升田芳樹事務局長(69)は「地元の協力を得ながら、固定客をつかんでいきたい」と話していた。
【写真説明】灯籠をつるしたササを手に神事に参加するツアー客たち
|