ファン氏死去:祭壇に弔問客の列
「『金正日より長生きして』と言っていたのに」
脱北者団体「五日葬行う」
10日に87歳で死去したファン・ジャンヨプ元朝鮮労働党書記の祭壇は、ソウル峨山病院斉場(ソウル市松坡区風納洞)に設けられ、北朝鮮人権団体関係者や脱北者ら弔問客の長い列が夜遅くまで続いた。同日午後に国立科学捜査研究所で司法解剖されたファン元書記の遺体は、午後8時22分ごろ同病院霊安室に安置された。弔問客らは白い菊の花に囲まれたファン元書記の遺影前であふれる涙をぬぐっていた。祭壇には、パク・ヒテ国会議長、玄仁沢(ヒョン・インテク)統一部長官、徐貞甲(ソ・ジョンガプ)国民行動本部本部長、大韓民国父母連合会などからの弔花があった。
2006年に北朝鮮を脱出した脱北者(59)は、「秋夕(チュソク=中秋節、今年は9月22日)にお会いしたときは顔色も良く、昨日(9日)午前に電話で話したときもお変わりない様子だった。お会いするたび、『金正日(キム・ジョンイル=北朝鮮総書記)より3時間だけでも長生きしてください』と申し上げていたのに、こんなに早く逝ってしまわれるとは」とむせび泣いた。ファン元書記の養女でファン・ジャンヨプ民主主義建設委員会代表のキム・スクヒャン氏(68)、ホン・スンギョン脱北者同志会会長、キム・ソンミン自由北朝鮮放送代表、趙明哲(チョ・ミョンチョル)対外経済政策研究院国際開発協力センター所長(金日成〈キム・イルソン〉大学元教授)らも祭壇にとどまっていた。
パク・サンハク自由北朝鮮運動連合代表は、「30余りの脱北者団体代表らが葬儀委員会に参加、葬儀を(五日間にわたる)『五日葬』で行う予定だ。多くの市民が参加できるよう、『社会葬』を行った後、国立墓地『ソウル顕忠院』に埋葬するよう政府に求めている」と述べた。
ファン元書記が死亡しているのが発見されたソウル市江南区ノンヒョン洞の「安全家屋」は、敷地463.4平方メートル(140坪)に地上2階、地下1階の一戸建て。高さ2-5メートルという塀の上に、高さ50センチ前後の鉄格子や鉄条網が設置されており、一般の住宅とは明らかに違う。防犯カメラや警報装置も各所に設置され、「鉄壁の城」を思わせる。2階のベランダと道路側の窓にはくもりガラスの目隠しが設置されていた。また、狙撃を防ぐためガラスは防弾ガラスになっているという。警察は「重装備したセキュリティー要員約20人が交代勤務し、庭では高度な訓練を受けた番犬が見張っている」と説明している。
ファン元書記が主に居住していた2階は広さ71.27平方メートルで、ファン元書記の書斎と随行員の部屋、クローゼット用の部屋などが三つある。警察関係者は「2階に要員一人が非常待機しており、1階では残りの要員が防犯カメラや侵入者感知センサーで見張っていた」と話している。
アン・ジュンヨン記者
ソン・ウォンヒョン記者
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