後継者問題:「金正恩時代」の幕開けをアピール(上)
北朝鮮の軍事パレード、金正恩氏が登場
北朝鮮の後継者、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党中央軍事委員会副委員長は10日、党創建65周年を記念する大規模な軍事パレードに登場し、「金正恩時代」の幕開けを内外に公式にアピールした。
■核とミサイルとともに登場した金正恩氏
北朝鮮は軍事パレードで、実戦配備しているミサイルのうち、射程距離が3000-4000キロに達する中距離弾道ミサイル(別名・ムスダン)を外国メディアに公開した。これに先立ち、朝鮮中央通信は今月5日、金正恩氏が後継者に指名された後、初めての視察先として江原道安辺郡にある人民軍第851部隊を訪問したと伝えた。同部隊は2006年7月にノドン、スカッドミサイル6発を発射した場所だ。
北朝鮮は先月29日、金正恩氏を後継者に指名した直後、国連総会で「核抑止力を強化する」と表明した。また、寧辺の原子炉冷却塔付近で、大規模な工事を進めていることが衛星写真から判明した。韓国の安全保障当局者は「金正恩は核とミサイルを手に『即位式』に臨んだ格好だ」と述べた。南柱洪(ナム・ジュホン)外交通商部国際安保大使は、「金正恩氏は『強盛大国』と関係がある核、ミサイル、先軍思想などを絶対に放棄せず、むしろ強化するのではないか」と述べた。北朝鮮は故・金日成(キム・イルソン)主席の生誕100年となる2012年に「強盛大国の扉を開く」と住民に宣伝してきた。
金正恩氏は軍事パレードで、金正日(キム・ジョンイル)総書記と主席壇に上り、後継者として初めて、閲兵を行った。これについて、韓国統一部関係者は「軍権を継承することを公式化したものだ」と分析した。軍部の金正恩氏に対する支持を誇示する狙いもあるとみられる。
「先軍政治」を掲げる北朝鮮で権力を世襲するためには、軍部の掌握が不可欠だ。金正恩氏が先月28日、党代表者会で軍を統括する党組織の中央軍事委副委員長に就任したのもそうした理由からだ。かつて北朝鮮で金正日総合大学の教授を務めた趙明哲(チョ・ミョンチョル)対外経済政策研究院博士は「金正日氏が1980年10年に公の活動を初めて以降、北朝鮮を事実上統治し始めたように、金正恩氏もこれから『直轄統治』に乗り出すはずだ」と語った。後継者修業を終え、後継者としての権力を発揮するはずだとの見方だ。金正恩氏の偶像化作業も進む見通しだ。
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