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【プロ野球】

ロッテ劇的勝利でファイナル王手 9回4点で同点、11回福浦V弾

2010年10月10日 紙面から

西武−ロッテ 11回表無死、福浦が右越えに決勝ソロを放つ。捕手銀仁朗=西武ドームで(北田美和子撮影)

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◆ロッテ6−5西武

 今年もドラマがたっぷり!! 2010年のクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージが9日、西武ドームでド派手に開幕した。ロッテは1−5と4点ビハインドで迎えた9回1死から同点に追いつくと、延長11回に福浦和也内野手(34)が劇的勝ち越し弾。西武に先勝し、リーグ覇者のソフトバンクと対戦するファイナルステージ進出に王手をかけた。注目の第2戦はロッテがマーフィー、西武は岸の先発で行われる。

◆パCS、5年ぶりの延長戦

 9日のパCSファーストステージ第1戦は延長11回、ロッテが6−5で西武を制した。パCSでの延長戦はプレーオフ時代の05年第2ステージ第3戦以来、5年ぶり3度目。この試合は、小林雅の乱調で9回に4点差を追いつかれたロッテがソフトバンクに4−5とサヨナラ負けを喫している。

 未来を切り開くアーチが高々と舞い上がった。9回に4点差を一気に追いついたロッテ。レギュラーシーズン2位からアジア王者に輝いた05年のミラクル劇をほうふつとさせるような劇的勝利を呼び込んだのは、チーム一筋17年、福浦が放った豪快な一発だった。

 先頭で打席に入った延長11回だ。左腕の土肥が投じた2球目の甘いスライダーをすくい上げた。本人が「完ぺき」という打球が大きな放物線を描く。フェンスオーバーを確信し、右手を突き上げた。数秒後、白球はロッテファンが真っ黒に染めた右翼席に突き刺さった。

 「最高の勝ち方。11回? 塁に出ようと思っていたが…。勝てて良かった」と福浦。だが、ヒーローは手柄を独り占めにはしない。「(西岡)剛が同点本塁打を打ったしサト(里崎)が久々の打席で適時打を打った。みんなあきらめず、力を出し切った結果」。“和”のチームらしく全員でつかんだ1勝を強調した。

 西村監督の信頼に応える一撃だった。11回は左対左の場面。福浦は9回にホームインしたとき、足を引きずるそぶりを見せていた。代打も考えられたが、指揮官は不動の姿勢。「塁に出たら代走を出すから」と耳打ちした後、福浦にすべてを託した。

 「左腕相手でもしっかり打ってくれると思っていた」と西村監督。“幕張の安打製造機”は意気に感じ、集中力を研ぎ澄まし、一振りで獅子を奈落の底へ突き落とした。「左でも使ってくれたんで」と福浦。ここにも指揮官と選手が織りなす“和”がにじみ出ていた。

 ファイナルステージ進出に王手。短期決戦で重要な勢いも手に入れた。西村監督は「一気に決める? みんな、当然思っている」と連勝での勝ち抜けをもくろむ。福浦も「明日も勝てるように頑張ります」とファンに約束した。 (川越亮太)

 

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