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【グラニュース】


花井逆転V弾 天皇杯3回戦

2010年10月10日 紙面から

名古屋−札幌 後半、ゴールを決め笑顔を見せる名古屋・花井(中)=瑞穂陸上競技場で

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 J1首位の名古屋グランパス(前回準優勝)−札幌戦(中日新聞社共催)は、1点リードされたグランパスが中村、花井のゴールで逆転勝ち。4回戦は11月17日に新潟と対戦する(会場未定)。史上初の3連覇を目指すG大阪もJ2の栃木に逆転勝ち、4回戦に進んだ。鹿島は熊本を、横浜Mは鳥栖をそれぞれ下し、J2勢では千葉が京都に快勝した。町田ゼルビア(JFL)は新潟に、ソニー仙台(宮城)はC大阪に敗れ、Jリーグ勢以外はすべて姿を消した。3回戦の残り8試合は11日と13日に行われる。

◆名古屋2−1札幌

 花井の右足から放たれたボレーシュートが、札幌のゴールネットを揺らした。延長戦突入が現実になりかけた後半43分だった。MF三都主が左クロスを放った瞬間から、「こぼれ球がある」と意識し、反対サイドのゴール前に詰めた。インパクトの瞬間は覚えていない。それでも、「右側しか空いていない」と狙いを定めて、難しい体勢からゴール右隅にピタリと決めた。遅れて訪れた、初めて味わう歓喜を全身でかみしめた。

 8日の日本代表戦で、あこがれのアルゼンチン代表FWメッシのプレーに目を奪われた。この日も前半は、先輩FW玉田のプレーを、「メッシみたい。見ていて面白い」とベンチから見つめていた。しかし、途中出場で得たチャンスで決勝弾。試合終了時には、自分が主役の座を射止めていた。

 グランパスU−18(18歳以下)の最高傑作と期待された天才肌MFも、今年がプロ3年目。「長かった」−。自身では通過点のはずだった初ゴールまでの道のりは思いのほか厳しかった。分厚い選手層に阻まれ、出場機会を得ることにまずつまずいた。ゴールへ向かう強い姿勢も欠けていた。あと5分と迫っていた、年俸の上限がないA契約への移行条件を満たす公式戦450分出場にも、ようやく到達した。

 初得点とA契約達成の二重の喜びとなったが、浮かれることはできなかった。ロスタイムに、MF小川の決定機を演出した絶妙のスルーパスすら、精度を欠いたと悔やんでいた。「得点はできたが、パスミスも多い。もっと周りを見ないといけない」。反省の言葉は、向上心の表れでもある。

 「結果は自信になる。ゴールで1歩目は示すことができた。もっと“花井聖(しょう)”をアピールしていきたい」。スタートラインに立った花井には、次のステージへ駒を進めた天皇杯はもちろん、首位を独走するJ1でもチャンスは残されている。 (伊東朋子)

 

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