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2010年10月10日14時40分
隣国が念願の本土初のノーベル賞を受賞したが、反体制の獄中の人物だったということで大問題になっている。個人的には、ノーベル賞受賞は祝福するけれど、その是非については中立だ。それよりも、今回の受賞に対して中国政府が国際的に見せた態度にがっくりした。
劉氏の受賞に私がニュートラルなのは、かの国の民主化はあくまで国内問題と思っているからだ。もちろんかの国が民主化をして、本当に世界全体の平和と繁栄のためになるなら、是非進めていただきたいと思う。しかし実際にそれとこれは別だろう。例えば、劉氏は国内の民主化には命をささげるだろうが、彼が尖閣諸島は日本のものと思うか、炭素排出権を中国は守るべきと思うかは別だ。民度が低い国で民主化をしても、国際的な課題が解決されないことは良くあることだ。
これはいずれ記事に書くけれど、「民主主義」が成功して世界の平和と繁栄につながるには、それなりの民度と仕組みとインフラと人材などが必要となる。
そういうわけで受賞の是非はともかくとして、今回の受賞に対して中国政府が見せた態度は、一流国のそれとはとても思えないものだった。
中国「劉氏にノーベル賞なら悪影響」外務次官がノルウェーに警告−毎日新聞
中国、ノルウェー大使呼び抗議−NHK
劉氏を祝福、中国の脅しには乗らず−ノルウェー首相 −時事通信
ノーベル賞選考委員会が、ノルウェー政府とは独立した存在であるということは、先進国なら誰でも知っていることだ。それをノルウェー政府を脅せば結果がくつがえると考えているとしたら、余りにも野蛮ではないか。
中国、「ノーベル平和賞」のネット検索を遮断−CNN
ネット閲覧統制、外国テレビ中断も、劉氏平和賞−読売新聞
これはいつものことだが、いくら成長市場であっても、こんなあからさまな自由が通らない国でマトモな商売が出来るのかと撤退をまじめに考えた世界中の企業はどれだけいるだろうかと考える。人口が今後増えるとはいえ、この国の成長とは本当に持続的なのだろうか。
2010年のGDPでは、ついに中国が日本を追い越し、米国についで第二位の経済大国になるといわれている。かの国は、「世界第二位の経済大国」として、世界に尊敬される国になるという発想はこれっぽっちも無いのだろうか。
私は、海外での仕事や留学で、いろんな国の人と友人になってきたが、その際は必ず「日本はどんな国と思うか、アメリカをどう思うか、中国はどうか」を話題にしてきた。(私の個人的な関心事だからだ)
アメリカについては、軍事行動や外交政策で全く尊敬できない部分は大きいものの、多くの技術を生み出した国であること(電話もテレビも半導体もコンピュータも携帯電話も)、何より次々に新しい世界的企業を生み出している活力は尊敬できるという人が多い。食べ物はおいしくないけれど、何でも手に入るのはすごい。大きな車に乗って馬鹿みたいだけど、車があれば生活できるのはすごい、など。なにより世界中からあれだけの人をひきつけ続けているのはすごいことだ。
第二の経済大国だった日本は、政治的には全く尊敬できないけれど、東南アジア諸国では未だに目標となる国だ。日本が生んだ企業ブランドは世界中で愛されている。車もテレビもデジタルカメラも日本製の品質は世界で信じられている。日本に旅行に行った人は、食事のおいしさ、文化や歴史の深さ、人々の親切さに感動し、日本が好きだと思うようになる。確かに政治は馬鹿みたいだけど、人や企業はいい国で尊敬できると世界の多くの人は思っている。
劉氏の受賞に私がニュートラルなのは、かの国の民主化はあくまで国内問題と思っているからだ。もちろんかの国が民主化をして、本当に世界全体の平和と繁栄のためになるなら、是非進めていただきたいと思う。しかし実際にそれとこれは別だろう。例えば、劉氏は国内の民主化には命をささげるだろうが、彼が尖閣諸島は日本のものと思うか、炭素排出権を中国は守るべきと思うかは別だ。民度が低い国で民主化をしても、国際的な課題が解決されないことは良くあることだ。
これはいずれ記事に書くけれど、「民主主義」が成功して世界の平和と繁栄につながるには、それなりの民度と仕組みとインフラと人材などが必要となる。
そういうわけで受賞の是非はともかくとして、今回の受賞に対して中国政府が見せた態度は、一流国のそれとはとても思えないものだった。
中国「劉氏にノーベル賞なら悪影響」外務次官がノルウェーに警告−毎日新聞
中国、ノルウェー大使呼び抗議−NHK
劉氏を祝福、中国の脅しには乗らず−ノルウェー首相 −時事通信
ノーベル賞選考委員会が、ノルウェー政府とは独立した存在であるということは、先進国なら誰でも知っていることだ。それをノルウェー政府を脅せば結果がくつがえると考えているとしたら、余りにも野蛮ではないか。
中国、「ノーベル平和賞」のネット検索を遮断−CNN
ネット閲覧統制、外国テレビ中断も、劉氏平和賞−読売新聞
これはいつものことだが、いくら成長市場であっても、こんなあからさまな自由が通らない国でマトモな商売が出来るのかと撤退をまじめに考えた世界中の企業はどれだけいるだろうかと考える。人口が今後増えるとはいえ、この国の成長とは本当に持続的なのだろうか。
2010年のGDPでは、ついに中国が日本を追い越し、米国についで第二位の経済大国になるといわれている。かの国は、「世界第二位の経済大国」として、世界に尊敬される国になるという発想はこれっぽっちも無いのだろうか。
私は、海外での仕事や留学で、いろんな国の人と友人になってきたが、その際は必ず「日本はどんな国と思うか、アメリカをどう思うか、中国はどうか」を話題にしてきた。(私の個人的な関心事だからだ)
アメリカについては、軍事行動や外交政策で全く尊敬できない部分は大きいものの、多くの技術を生み出した国であること(電話もテレビも半導体もコンピュータも携帯電話も)、何より次々に新しい世界的企業を生み出している活力は尊敬できるという人が多い。食べ物はおいしくないけれど、何でも手に入るのはすごい。大きな車に乗って馬鹿みたいだけど、車があれば生活できるのはすごい、など。なにより世界中からあれだけの人をひきつけ続けているのはすごいことだ。
第二の経済大国だった日本は、政治的には全く尊敬できないけれど、東南アジア諸国では未だに目標となる国だ。日本が生んだ企業ブランドは世界中で愛されている。車もテレビもデジタルカメラも日本製の品質は世界で信じられている。日本に旅行に行った人は、食事のおいしさ、文化や歴史の深さ、人々の親切さに感動し、日本が好きだと思うようになる。確かに政治は馬鹿みたいだけど、人や企業はいい国で尊敬できると世界の多くの人は思っている。
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マサチューセッツ工科大学のMBA(MIT Sloan)を今年6月に卒業。
技術経営、イノベーション論、組織論に興味。
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