ノーベル平和賞の劉暁波氏に妻が面会

　ノーベル平和賞受賞が決まった中国の民主活動家、劉暁波氏の妻、劉霞さんが１０日、遼寧省錦州市の刑務所で服役中の劉氏と面会したと関係者が明らかにした。劉霞さんは劉氏に受賞の報告を伝達する意向を示していたが、劉霞さんには公安当局者の監視がつき、外部と連絡が取れない状態が続いているため、面会でのやりとりは確認できていない。

　劉霞さんはこれまでも劉氏と定期的に面会しているが、受賞決定後は初めて。中国当局は、中国の人権擁護活動や民主化運動に影響力のある劉氏の発言が海外メディアを通じて国内外に発信されることに神経質になっているとみられ、劉氏と面会した劉霞さんに対する行動の監視を今後も強める見通しだ。

　関係者によると、面会は１０日午前１０時半（日本時間同１１時半）から約２時間行われた。面会が刑務所内で行われたかどうかは不明。劉霞さんの弟も同行したが、事前に面会を許可されたのは劉霞さんだけだった。劉霞さんらは公安当局者と共に８日夜、北京の自宅を出発し９日、錦州に到着していた。

　刑務所付近には１０日午前、２０台以上の警察車両が停車し、刑務所に通じる道路では検問を実施。地元の人や刑務所の関係者以外は通れないように警察が規制していたが、昼すぎには警備に当たる警官の数も減り、規制の範囲が狭められた。

　海外メディアへの対応のため現場に来ていた地元当局者は「（劉氏は）ここにいる」と刑務所で服役中であることを明らかにしたが、１０日の面会が行われたかどうかについては確認を避けた。

　中国当局はこれまで劉霞さんへの監視を続けていたが、海外メディアの面会取材は許可していた。しかし劉氏の受賞決定後は外国メディアの取材を受けることについても規制を強めている。（共同）

（2010年10月10日19時36分  スポーツ報知）

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