神鋼、格下に大苦戦も強運で辛勝だ!ラグビーTL
後半、相手タックルを受けながら突進する神戸製鋼・正面 |
◆ 試合終了寸前に決勝PG ◆
5試合があり、今季の花園開幕ゲームに登場した神戸製鋼が連敗を3で止めた。試合終了寸前にSOピーター・グラント(26)が決勝PGを決めて18−15と辛勝。近鉄は昨季無敗の三洋電機を苦しめたが9−12と及ばなかった。今季昇格のNTTコミュニケーションズがトヨタ自動車に初黒星をつけ、5戦全勝は三洋電機だけになった。
◆ 大畑「一戦必勝」 ◆
<神戸製鋼18−15コカ・コーラW>新司令塔に期待されながら開幕5戦目でスタメン落ちした昨季スーパー14ファイナリストの意地だった。SOグラントが約30メートルのPGを落ち着いて成功。スコアボードの時計は「39分40秒」。残り20秒での勝ち越しで、神戸製鋼が辛くも白星を拾い上げた。
トップリーグ発足後ではクラブ史上初となる3連敗を喫した前節・近鉄戦に続く雨天。加えて突風が吹く荒れ模様だった。後半14分、決まれば5−17とリードを広げられるトライ後の相手キックが左ポストを直撃。15−15の同34分にはPGも外れた。「ホッとした、というのが率直な感想」とゲームキャプテンのWTB大橋は打ち明けた。
コカ・コーラWの向井監督は試合後、陣地をとりにいくキックに関して「選手が風向きを読み違えていた」という趣旨の発言をした。ゴールキックも同様だったなら、神戸製鋼にとってはラッキーというほかない。3連敗を踏まえて「シンプルに、基本的なことを80分間やりきろう」(大橋)と再確認してきたこの1週間。苑田ヘッドコーチは「やってきたことがそういう運を引き込んだと思う」と話した。
昨季は70−10で下した相手に大苦戦。FBから初めて先発SOに回った正面も、前半1分の先制トライの後は決定的な仕事をできなかった。「敵陣ゴール前までいって、ミスで取りきれなかったことでこんな展開になった」。強運を生かしたい先の戦い。引退シーズンのCTB大畑は「一戦必勝。トーナメントのつもりでやっていく」と宣言した。
[ 2010年10月10日付 ]
PR