浴場で倒れていた…亡命の北朝鮮元書記　心臓まひで死去

死亡しているのが見つかった黄ジャンヨプ元朝鮮労働党書記 Photo By 共同

　韓国のＹＴＮテレビは１０日、１９９７年に北朝鮮から韓国に亡命した黄ジャンヨプ元朝鮮労働党書記（８７）が自宅で死んでいるのが発見されたと報じた。状況から、心臓まひによって死亡したとみられるとしている。

　ＹＴＮによると、黄元書記は同日午前９時（日本時間同）ごろ、自宅の浴場で倒れているのを発見された。聯合ニュースは、警察当局が黄元書記の死亡を確認したと伝えた。

　黄元書記は金日成総合大教授、同大総長、主体思想研究所長などを歴任し「人間中心の『主体思想』」の体系化を推進。金父子体制の理論的基盤をつくり、故金日成主席や金正日総書記の名で発表された論文を執筆するなど、北朝鮮のイデオロギー面での中心的存在だった。

　しかし９４年の金主席の死後、餓死者が出るまでに悪化した金総書記の体制に幻滅を感じ、訪問先の日本から帰国する途中の北京で９７年２月、韓国大使館に亡命を申請。「主体思想の亡命」として内外に大きな衝撃を与えた。 （共同）

[ 2010年10月10日 12:16 ]