北九州市の病院で、入院患者のつめを深く切りけがをさせたとして傷害の罪に問われ今月、福岡高裁で逆転無罪判決を受けた看護師について、福岡高検はきょう、上告しないと発表しました。

北九州市の看護師・上田里美さん(44)は2007年、北九州八幡東病院で寝たきりの入院患者2人の足のつめを深く切り、出血するけがをさせたとして、傷害の罪に問われました。

1審の福岡地裁小倉支部は、有罪判決を言い渡しましたが福岡高裁は今月16日、つめ切りは「看護師として行った正当な業務で違法性はない」と認定し、逆転無罪の判決を言い渡していました。

上告期限のきょう、福岡高検は「判決内容を検討したが、上告理由を見出すのは困難」だとして、上告しないことを発表しました。

上田さんの無罪が確定します。

上田さんは、「こんなにうれしいことはありません。安心して看護師を続けてゆけます」とコメントを出しました。