この話は私が不甲斐無いために一度検閲・・・じゃない修正しました。
それではどうぞ。
それは王子さまが地球を離れ、自分の星に帰るために星を渡っていた時のことでした。
王子さまは一つの星に来ました。
その星にいたのはとても綺麗な男の子と女の子でした。
男の子は長い金色の髪と瞳を持ち、男の人のような女の人のようなそんな不思議な感じを持っていました。
そして女の子は黒い豪奢なドレスを着て、墨を流したような艶やかで綺麗な長い髪をなびかせていました。
二人は寄り添いながら何処か遠くを見て、お互い笑いあっていました。
しかし二人は王子さまに気付くと少し驚いて王子さまを見ました。
「ほう、このような所に人が来るとは珍しいな」
「そうですねマスター」
王子さまは今まで会った人達と違うこの二人に興味を持ちました。
「二人は此処で何をしているの?」
と王子さまは二人に尋ねた。
「私達は此処で世界を、星を見ていたのです」
と黒髪の女の子が返事をした。
「そう、此処でこうして二人で世界を見続けてその世界に生きる命を笑いながら、憧れながらずっと見ているんだ」
と金の髪の男の子は笑いながら言いました。
「どうしてそんなことをするの?」
と王子さまは二人にまた尋ねました。
「此処でこうして二人で世界を永遠に見続けることが、私達に与えられた罰だからです」
「多くのものを傷つけ、苦しめ、憎しみ、恨み、憎悪して嫌悪した。その罰を受けているんだ」
「でも此処ならもうなにも壊さず、誰も傷つけず、憎まずに恨まずにいることが出来る。・・・私達は永遠の罰を受けている。
けれど今は永遠の平穏を手にしている。心の底でずっと望んでいた・・・優しい日々を」
「だから余等はこれからもずっと見続ける。過去永劫から未来永劫までずっと。二人で、いつまでも」
笑いながらそう語る二人は本当に仲睦まじいものでした。
「ぼくは今自分の星に帰る最中なんだ。そこでぼくのことをきっと待っている人がいるんだ」
「そうか。その者はそなたにとって大事な者か?」
「うん。ぼくにとってとても大事な、この世界でかけがいのないヒトなんだ」
「そうですか。貴方がそこまで大事に想っているのなら、きっとそのヒトも貴方のことを大事に想っているでしょうね」
男の子と女の子は王子さまに優しく微笑みながらそう答えた。
「ならば一刻も早くその者の下に帰るがよい。その者もきっと、そなたのことを待っているだろう」
「うん、そうだね。彼女はすごく気難しい性格だから、早く帰ってあげないと機嫌を悪くすると思うんだ」
「まあ、ふふふ、そうですか。では一刻も早く帰った方がよろしいですね」
王子さまは二人にそう言われ早く帰ってあげようと思った。
気難しくて我侭で、そして寂しがり屋のあのバラの下へ。
王子さまは星から出ようとした。
だがその前に、どうしても二人に聞いてみたいことがあった。
「ねえ聞いても良いかな?」
「何ですか?」
「何が聞きたいのかな?そなたは久しぶりの客だ。何でも答えよう」
「ぼく達も二人みたいに仲良くできるかな?」
王子さまの質問に目を点にして驚いた二人は、その後笑い出した後、王子さまにこう答えた。
「――――――――ああ、出来るさ。きっと」
「――――――――ええ、出来ます。きっと」
王子さまはありがとうと言って、二人の下から去っていった。
かつての黒き教団の長、マスターテリオンとその従者エセルドレーダは微笑みながらそれを見守る。
「――――行ってしまったなエセルドレーダ。彼は、ちゃんと帰ることが出来るだろうか?」
「もちろんですマスター。彼ならきっと帰ることが出来ます。このような場所に来ることが出来たのですから」
「それもそうだな。――――ならば祈ろう。彼が無事に帰ることが出来るように」
「イエス、マスター。彼が大事な者の所へ辿りつけるように」
二人は王子さまの無事を祈り、そしてまた寄り添い、世界を見続ける。
いつまでも、いつまでも。
私の受信した電波は如何だったでしょうか?
少しでも皆様方の暇を潰せれば良かったのですが。
この話は星の王子さまを読んでティンときて書いたものです。
上手く二人を再現出来ていれば良かったのですが、どうだったでしょうか?
そしてこれは私が受信した中で一番ましだったものです。
受信したのはまだあります。
でも他のはもうカオスなものしかなかったもので・・・
よければご意見ご感想のほどよろしくお願いします。
それでは、お付き合いありがとうございました!