ITER計画:日本の負担、180億円増 資材高騰受け

2010年8月18日 2時37分

 日米欧など7カ国・地域で取り組む国際熱核融合実験炉(ITER)計画について、日本の負担額が約180億円増える見込みであることが、17日の原子力委員会で明らかになった。資材高騰などで建設費が約2000億円増額の見通しとなり、各国が拠出増を余儀なくされる形だ。担当する文部科学省は来年度概算要求で予算の増額を求める。

 ITERは、太陽で起きている核融合反応を炉内で再現し、エネルギー源としての利用を目指す計画。仏南部カダラッシュに実験炉を建設し、19年に主要部分が完成、27年から本格運転の予定。

 建設費総額は約9000億円に膨らむ見通しで、欧州の資材高騰に加え、インドの参加や機器追加などで設計変更があったためという。運営するITER機構の7月末の臨時理事会で報告されたが、文科省は日本への影響を示していなかった。この日の委員会で近藤駿介委員長が説明を求め、負担増が判明した。

 国際協定では、欧州連合(EU)が45.4%、他の6カ国は各9.1%のコストを負担する規定。日本の負担分の約9割は実験装置を国内で製造して現地へ送る「物納方式」だが、文科省は「欧州と同様に資材高騰の影響があるとみられ、コスト削減に努めたい」と説明する。【山田大輔】

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