2010 年
10 月
8 日
今の時期、尖閣諸島事件に関する意見書提出は、ちょっと違うのでは?
〜「中国政府に厳重抗議する意見書」に反対しました〜
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新区長が誕生した直後に結成された「新しい杉並」《杉自と民主(1人を除く)と社民ら17人》、自民、公明、共産が提出者となり、「尖閣諸島沖における中国漁船衝突事件に関する意見書」を両院議長、総理、外務、法務、国土交通の各大臣、官房長官あてに出す、という議員提出議案が今定例会の最終日に上程されました。 9月7日に起きた、尖閣諸島沖で中国漁船が日本の海上保安庁の巡視船と衝突した事件です。 逮捕した船長を釈放したことで、「中国の圧力に屈したとの印象を与えてしまった。どーするんだ!」という報道がTV、新聞で何日も何日も続きました。
杉並区議会からの意見書は、 1.尖閣諸島は日本固有の領土であるとの態度を中国、諸外国に示せ 2.海洋警備体制を強化し、同様の侵犯行為には厳正に対処せよ 3.中国政府に厳重抗議し、日本が被った損害賠償を請求せよ について、特段の措置を講ずるよう要請する という内容になっています。
メディアも政府の対応を非難する傾向でしたので、「なにモタモタしているのか!」というご感想を持たれる方を増やしたのではないか、と思います。ちょっと見たところ、「いいんじゃない?」と思いがちですが、私たち生活者ネットは、「この意見書、ちょっと待って!」と思いました。
日中間の摩擦を起こしたことは確かです。しかし、市民や民間レベルでの交流はこの間も途切れず、親しい隣人としての友好関係は持続していました。日本政府も一貫して日本固有の領土であると主張してきましたし、法治国家として侵犯行為には県政に対処するのは当然のことですから、ここで改めて特段の措置を講じる必要性が感じられません。中国政府に抗議して損害賠償を、と息巻いて、なんだか…ねぇ。普天間問題のときこそ、意見書を出すべきだったと思います。
とにかく、冷静に事態を収めるべきこのときに、対立をより深めるようにさせる意見書はおかしなものです。どうしても国に意見書を出すのであれば、沖縄をはじめとする国内漁業者が安全に操業できるような対策を求めるものではないでしょうか。 意見書提出には反対しました。
それなのに!原口前総務相ら4人がチャーター機で尖閣諸島を上空から視察と報道がありました。中国を刺激しないでいただきたいです。「尖閣諸島を見る」ことを目的に飛んだようですが、上空からの映像はこれまでも沢山あるわけだし、島に降りたつわけではないのだから視察の意味がわかりません。せっかく石垣島に行かれたのだから、漁業を営んでいる人と話し合いでもしたのであれば意味がありますが、東京にとんぼ返りなら何考えているのだか。
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