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アニメの聖地 '10/10/10

安芸の小京都竹原市に若者の目が注がれている。来月DVDが発売されるアニメ「たまゆら」の舞台になった。きょう上映会や声優のトークイベントがある。駆け付けたファンの熱気に包まれるに違いない▲写真好きの少女が亡き父の古里に移り住み、温かい人たちに支えられる物語。予告編を見ると戦前の風情を残す町並みはもちろん、海あり山ありのたたずまいを驚くほど細かく描いている。ファンならずとも足を運びたくなる出来栄えのようだ▲佐藤順一監督は海沿いの町をあちこち訪ね、歴史の薫りを決め手に白羽の矢を立てたそうだ。先行上映した東京で大評判に。竹原でのイベントも、定員の10倍近い応募が全国から殺到した。活性化に悩む地元にはうれしい話だろう▲お気に入りのアニメの舞台を訪ねる旅を「聖地巡礼」と呼ぶらしい。例えば埼玉県の鷲宮神社。「らき☆すた」という作品にちょっと登場したおかげで遠くからも参拝者が押し寄せた。まちおこしにも一役買っているという▲若者たちがもう一つの古里を求めている―。ブームを調査した研究者は見立てる。初めてでもどこか懐かしい竹原は、聖地の資格十分。第1話のタイトルは「大好きがいっぱいの町、なので」。外の目が意外な発見につながるかもしれない。




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