甲子園ＣＳ決定！巨人に勝てば秋山で竜倒だ…阪神

新神戸駅に到着した真弓監督

　阪神・真弓明信監督（５７）は、クライマックスシリーズ（ＣＳ）の先発４番手に秋山拓巳投手（１９）を抜てきすることを決めた。８日、巨人がナイターで敗れたため２位が確定。甲子園で行うことが決まったファーストステージ（第１Ｓ）を能見、久保、スタンリッジで勝ち上がれば、中日とのファイナルステージ（最終Ｓ）第１戦にＣＳ史上初となる高卒ルーキーが先発。鬼門・ナゴヤＤでの秘密兵器となる。また、ＣＳ開催権を得た坂井信也オーナー（６２）は、地の利を生かして戦うよう求めた。

　５年ぶりの日本シリーズ進出へ、虎の先発ローテが固まった。今季最終戦の黒星から一夜明け、新横浜駅で真弓監督がＣＳ突破の救世主に秋山を指名した。「先発？　いけるやろね。ハートの強さもあるやろ」と、１９歳の強心臓右腕に大事な先発マウンドを任せると明かした。

　先発の駒不足に陥った８月後半、すい星のごとく現れた秋山は完全にローテに定着。７日の横浜戦（横浜）では４回１失点で３敗目を喫したが、松本のソロアーチのみの１安打の好投だった。

　右腕に期待するのは、今季２勝１０敗と苦しんだナゴヤＤの呪縛（じゅばく）を解くことだ。山口投手コーチは「（巨人に）連敗したら終わりやから余裕はない」と、第１Ｓは昨年からカード７連勝中の能見に先陣を切らせ、久保、スタンリッジをつぎ込むことを示唆。３本柱で最初の関門を突破すれば、中日との最終Ｓ第１戦に秋山を送り出す。

　今季４勝した秋山は中日戦だけは登板しておらず、初対決なら球持ちのいいストレートに手を焼くはずという目算もある。「時間はきっちりあるので、しっかり調整して課題を少しでも克服したい」。肝っ玉ルーキーも、大舞台の登板に意欲を隠さなかった。

　５年ぶりリーグ制覇はあと一歩で逃したが、第１Ｓを本拠で迎えられることは追い風だ。「うっぷんを晴らしたい。今年の総決算となるよう、悔しい思いをした名古屋で勝ち越したい」。指揮官の気持ちは、すでに敵地でのリベンジに切り替わっている。