金正恩氏、国民に初めて姿

平壌で行われたマスゲームと芸術公演「アリラン」に姿を見せた金正恩氏（共同）

　北朝鮮の金正日総書記の後継者に決まった金正恩氏（２７）が９日夜、平壌で行われたマスゲームと芸術公演「アリラン」を総書記とともに観覧、一般国民や外国人観光客の前に初めて姿を見せた。１０日には朝鮮労働党創建６５周年を記念する大規模な閲兵式（軍事パレード）が平壌の金日成広場で行われる。軍事パレードは「過去最大規模」とされ、正恩氏の登場が焦点だ。

　正恩氏は９月２８日の朝鮮労働党代表者会で党中央軍事委員会副委員長に就任、映像や写真は既に公開され、軍事訓練視察や演奏会観覧も報じられている。

　平壌市内では連日、正恩氏を象徴する歌とされる「パルコルム（足取り）」が響き渡り、この歌が「後継者の歌」として定着していることがうかがえる。

　市内の小中学生は早朝と夕方、人通りの多い場所を「金日成将軍の歌」「金正日将軍の歌」とともにパルコルムを合唱して行進するほか、吹奏楽部も通りでパルコルムを含む革命歌謡の演奏を続けている。１０日の閲兵式に正恩氏が姿を見せた場合、パルコルムが演奏されることも考えられる。

　北朝鮮での軍事パレードは、２００８年９月９日の建国６０周年を祝賀する労農赤衛隊など民兵による閲兵式以来２年ぶり。正規軍による軍事パレードは、０７年４月２５日の朝鮮人民軍創建７５周年以来。この際は、ミサイルや対空砲など重火器も登場した。

　正恩氏の後継者決定については楊亨燮最高人民会議常任副委員長が８日、外国報道機関とのインタビューで北朝鮮高官として初めて対外的に認めた。（共同）

（2010年10月10日00時07分  スポーツ報知）

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