抽選に当たったヒラメに“あたった”。よもやのブラックすぎる「食中毒事件」が発生だ。
愛媛県業務衛生課や伊予銀行によると、ヒラメは同行の金融商品「懸賞品付き定期預金」の預金者に抽選で送った品の1つだった。
ヒラメは今月2日に県内の養殖場で水揚げされ、加工工場で1尾分を生のまま短冊状に4〜5切(450グラム超)に切り分け、真空パックされて同4日から5日にかけ、計209セットが9府県の預金者に発送された。
8日朝になって、ヒラメを食べた同県今治市の女性(68)が、今治保健所に下痢や嘔吐の症状を訴えた。県が調査に乗り出したところ、195セットを512人が食べ、うち67セットを食べた110人に症状が見られたことが判明した。
症状を訴えたのは9府県中の4県110人で、内訳は愛媛県106人、大分県2人、徳島県と香川県各1人。県は残る14セットについても、受取人の確認を急いでおり、食中毒の詳しい原因についても調べている。
伊予銀行の懸賞品付き定期預金は、1口10万円以上の口座を開設すると年2回(3月と9月)、抽選で愛媛県産の特産物が当たる。預金者は、銀行から送られてくる季節の特産物のパンフレットの中から、好きな特産品を選んで申し込む仕組みだった。
今回は6種類から選んでもらい、3300人が当選したという。うちヒラメを選んだ人は209人だったようだ。
森田浩治頭取は、「受け取られた方々をはじめ、関係各位にご心配とご迷惑をおかけし心からおわびします」とコメント。同行ではヒラメを選んだ預金者には、すでに商品申し込み時に記入してもらっている第2希望商品を、改めて同意を得て発送したいとしている。