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邦人拘束、19日ぶり決着…中国、高橋さんを釈放

 中国国家安全当局は9日、河北省石家荘市で軍事管理区域に許可なく侵入、不法に撮影した疑いで拘束し取り調べていた建設会社フジタの中国現地法人副部長高橋定さん(57)を釈放した。拘束から19日ぶり。高橋さんは同日夜、石家荘発の国内便で上海に到着、日本総領事公邸で夕食を取り、拘束時の様子を説明した。上海の日本総領事館によると、10日午前、東京・羽田に向けて上海を出発。帰国後、記者会見を予定しているが、10日に行われるかどうかは不明。

 事件で拘束された高橋さんを含むフジタの日本人社員計4人のうち、他の3人は9月30日に釈放され、高橋さんの拘束だけが続いていた。事件の事実上の決着で、尖閣諸島付近での漁船衝突事件を受け悪化した日中関係の障害がまた一つ取り除かれたが、日中とも相互不信は根強く、関係改善に時間がかかるのは必至だ。

 高橋さんは上海の空港に到着後、記者団の問い掛けに小声で「疲れました」と答え、立ち入った場所が軍事管理区域と認識していたかどうかについては「知りませんでした」と語った。その後、日本総領事館を通じ「皆様に大変ご心配をおかけし、申し訳なく思っています」とのコメントを出した。家族とも電話で連絡を取ったという。

 日中間では菅直人首相と温家宝首相がブリュッセルで4日に会談し、関係を改善させる方針で一致。8日には中国で服役中の民主活動家、劉暁波氏のノーベル平和賞受賞が決定し、中国当局は国際社会で対中批判が一段と高まることを懸念、日中関係の修復を急いだ可能性もある。

 北京の日本大使館によると、中国外務省領事局が9日午後、大使館幹部に「(高橋さんの)居住監視の解除を決めた。石家荘を離れるには法的な手続きが必要」と通知。中国国営通信の新華社は高橋さんの扱いについて「石家荘市国家安全局が居住監視を解き、保釈した」と伝えた。

 高橋さんら4人は9月20日、旧日本軍の遺棄化学兵器関連事業の入札に参加するため石家荘市内で下見をしていた際、軍事管理区域に許可なく侵入、不法に「軍事目標」を撮影したとして、軍事施設保護法違反の疑いで拘束され、取り調べのため当局が指定した場所に留め置かれる「居住監視」が続いた。

 しかし、中国国内では漁船衝突事件をめぐる日本側の対応に反発が根強く、高橋さんの拘束が国慶節(建国記念日)の7連休後まで長引いたとみられる。

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