佐賀市で知的障害のある安永健太さん(当時25歳)が警察官に取り押さえられた直後に急死した問題で、県警巡査長、松雪大地被告(30)が特別公務員暴行陵虐傷害罪に問われた審判の第4回公判が4日、佐賀地裁(若宮利信裁判長)であった。現場近くの飲食店内から目撃した当時高校生の女性(19)が「3回手を振り下ろした」と証言する一方、近くの歩道橋上から目撃した男性(69)は「殴る様子はなかった」と暴行を否定した。
女性は当時、友人2人と飲食店内におり「(窓から)若い警察官が3回、拳を上から下に振り下ろしたのを見た」と証言。「(安永さんの)体は見えず(拳が体に当たったのは)見てない」とも述べたが、「(安永さんの)腕を押さえるなら肩から上に腕を上げないはず」などと言い「殴ったように見えた」と証言した。
一方、男性は車で通り掛かり、近くに車を止め、現場付近の歩道橋上から目撃。「押さえるのに精いっぱいで殴る様子はなかった」と述べた。
また、現場を通り掛かり、松雪被告らの応援に加わった男性警察官も出廷した。【蒔田備憲、田中韻】
毎日新聞 2010年10月5日 地方版