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【サッカー】

森本 エースを狙え ザック監督が個人レッスン

2010年10月8日 紙面から

身振りを交え森本(左)と話し合うザッケローニ監督=埼玉スタジアムで

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 日本代表は8日午後7時50分から埼玉スタジアムでアルゼンチン代表と国際親善試合を行う。2014年ワールドカップ(W杯)ブラジル大会に向けて始動したアルベルト・ザッケローニ監督(57)の初采配(さいはい)となる注目の一戦。7日午前は紅白戦やセットプレーの確認を非公開で行い、午後は試合会場で調整。同監督はFW森本貴幸(22)=カターニア=に居残りでマンツーマン指導する“エース養成”もスタートさせた。

 ボールはない。通訳もいない。2人だけの空間だった。公式練習が終わると、ザッケローニ監督が森本のもとへ歩み寄った。イタリア語で直接、話し掛けた。時間にして8分間。指揮官の身ぶり手ぶりはどんどん大きくなり、最初は話を聞くだけだった森本も途中から意見するようになった。

 「私の考える理想のフォワード像。どのようにプレーすれば、短い距離でゴールまで向かえるかということを話しました」。ザック監督の志向するサッカーは、「頂点」に君臨するFWが鍵を握るのは周知の事実。森本をニッポンのエースへと仕立て上げる、「ザック道場」だった。

 イタリア語で会話できる2人だが、サッカー論を交わしたことはなかった。森本はこう呼応する。

 「ボールの受け方、ポジショニングの取り方、マークを外すタイミングの取り方。なるほど、という話」。驚きも納得もあった個人レッスン。ピッチを引き揚げる求道者の表情には笑みが戻っていた。所属するカターニアで出場機会を失い、傷心のフォワードにとっては、十分すぎるエネルギー補給だった。

 ザック監督はこう宣言した。「すべての試合がチャレンジ。チャレンジするからには結果を残したい」。アルゼンチンだろうと、恐れない。ひるまない。イタリア人指揮官に導かれ、新生JAPANがようやく飛び立つ。 (松岡祐司)

 

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