中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > サッカー > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【サッカー】

ザック新体制 岡崎が第1号

2010年10月9日 紙面から

前半、先制ゴールを決め森本(右)から祝福され喜ぶ岡崎(市川和宏撮影)=埼玉スタジアムで

写真

 サッカーの日本代表は8日、埼玉スタジアムで行われた国際親善試合のキリン・チャレンジカップでアルゼンチン代表と対戦し、FW岡崎慎司のゴールで1−0で快勝した。昨年の世界年間最優秀選手のFWメッシら最強攻撃陣をそろえたFIFAランク5位のアルゼンチンに対し、通算7度目の対戦で歴史的な初勝利を奪った日本。ザッケローニ新監督の初陣を白星で飾り、2014年ワールドカップに向けて最高のスタートを切った。

 長谷部の強烈ミドル弾をアルゼンチンGKロメロがファンブルした。そのこぼれ球。日本の新たなエース候補として1トップに入ったFW森本よりも速く、右からFW岡崎が飛び込んだ。前半19分。鋭く反応すると右足インサイドで力強くネットを揺らした。ザッケローニ新体制の第1号はW杯での屈辱を晴らす一発。意地の一発だった。

 W杯南ア大会開幕前までは不動のエースと呼ばれた。だが、大会直前に当時の岡田監督が守備的戦術へプラン変更。それを機に、最前線の動き方で混乱してしまったエース。さまよう中、その気配を指揮官に察知され、「気分転換に」とサイドのポジションを与えられたが、それが“負の転機”だった。

 W杯は4戦ともベンチスタート。不完全燃焼のまま、W杯後も原技術委員長が代行監督で指揮した9月2戦で先発落ちした。もちろんそれが悔しい。加えて言えば、最近はメディアの「予想先発」にも、名前が挙がらなくなった。「見返したい」。そう知人につぶやいたという。そんな高いモチベーションで迎えたザック新体制の初戦だった。

 新監督のもと、再び招集されたことも「誇り」であり、「自信」だという。代表合流直前の今月2日、リーグの鹿島戦で37度の発熱にもかかわらずプレーしたのは、新たなスタートを前に休んでいる暇はないというアピールにほかならない。

 「今日は(ザック監督の)初戦ってことで集中して試合ができた。しっかり役割をこなした結果の1−0。まずは戦えた」。かつてあこがれたというFWテベスよりも存在感を際立たせた岡崎。復活ロードは上々のスタートだ。 (上條憲也)

 

この記事を印刷する


中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ