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300億円要望かなわず 口蹄疫基金

2010年10月09日

 県が口蹄疫(こうていえき)復興対策のために国に要望した300億円規模の取り崩し型基金は、要望から2カ月を経て結局、政府が8日示した復興方針で認められなかった。方針のうち、独立行政法人に設置される取り崩し型基金33億円と、県が運用型基金を設置する際に発行する県債の利息3分の2にあたる十数億円は国の負担が確実だが、それ以外は県に負担が生じる仕組みだ。

 県が当初要望した300億円規模の内訳は、畜産再生に必要な事業100億円と公共事業200億円。全額国費負担を求めたが、「取り崩し型は前例がない」ことや補助金適正化法の対象になり、使途が限定されることから、要望通りには認められなかった。

 8日、国の方針を説明した永山英也・県総合政策課長は「基金で想定していた畜産の再生に擁する事業は、補助金を活用すればおおむねできる」との認識を示し、「災害対応の基金は運用型が主で、取り崩し型には例がないということだったので、前例を超えた措置をしてもらった」と強調した。

 だが、要望した公共事業費はゼロ回答。代わりに「社会資本整備総合交付金」の活用が示された。それも「県が想定した西都・児湯地域の道路舗装など、小規模工事には向かない」と県関係者は明かし、主に中小企業向けの公共事業は県が独自で設ける30億円規模の基金で手当てすることになる見通しを示した。

 また、運用型の基金創設では、1千億円の県債を発行するため、一時的に県債残高が1兆円を超える見通し。短期で償還されるため、財政指標に大きく響くことはない見込みだが、20億円程度と想定される運用益に対し、県債発行には金利の3分の1の県負担が生じる。

 東国原英夫知事は同日、県債発行の金利負担について「県民のみなさんに負担はお願いしなきゃいけない」と述べた。また基金設置について「見通しが甘かったのでは」との指摘に対しては、「国会での論議を要望してきたから時間がかかった。次の対応のために法整備は課題になってくると思う」と述べた。 (中島健)

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