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【プロ野球】西岡 涌井の初球撃つ きょう開幕 パCS2010年10月9日 紙面から
勝つ。獅子を絶対に倒す。西岡は燃えるような闘志にあふれていた。この日のロッテはサブローや今江が特打を行うなど気合十分だったが、シーズン206安打を放った西岡とてそれは同じ。フリー打撃後に試合への意気込みを聞かれると、声高らかに必勝宣言だ。 「勝ちます!!」 そんな西岡はチーム全員が共有する思いも主将として口にする。「皆、もう一度優勝(日本一)目指して取り組んでいるし、その気持ちで試合に臨むと思う」。チームリーダーはあふれる気持ちを抑えきれなかった。 第1戦の相手は涌井。チームは今季、3敗を献上した。西岡は打率3割4分7厘と得意にしているが、難攻不落であることは間違いない。負けの許されない超短期決戦。「西武とソフトバンクを倒し、千葉に戻る」という目標を達成するため、獅子のエースを絶対に倒さなければいけない。 そのために西岡が集中するのは第1打席。しかも、その一球目に自らの全神経を傾ける。「投手は1打席目の初球を考えながら投げてくる」と西岡。大事な試合の1球目から痛撃を加えれば、自信喪失気味の涌井はパニックに陥ることが必定。勝利への糸口が現れる。「今日から考えて、明日に臨みたい」。頭の方もすでに臨戦モードだ。 西武は最大限のマークをかけることが予想される。しかし、西岡は動じない。「マークされることはいいこと。意識せずに臨みたい」。プレッシャーをかいくぐって、勝つ。「失敗を恐れずアグレッシブなプレーをしていきたい」と語って決戦の地を後にした西岡。その闘志には一片の曇りすらない。 (川越亮太)
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