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【プロ野球】

Gクルーンで悪夢 これも伝説!? 10・8

2010年10月9日 紙面から

巨人−ヤクルト 10回表無死一塁、森岡に四球を与え、降板するクルーン。後方右は斎藤コーチ、同左は捕手阿部=東京ドームで(佐藤哲紀撮影)

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 セ・リーグは8日、巨人がヤクルトとのレギュラーシーズン最終戦に延長10回の末、4−7で敗れ、3位に後退。2位は阪神となり、16日からのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ(3試合制)、阪神−巨人は甲子園で行われる。

◆ヤクルト7−4巨人

 G党の悲鳴が響く。無情の打球が右翼席に消える。巨人が痛恨の逆転負けでレギュラーシーズン144試合を終えた。1点リードの9回にクルーンが追いつかれ、延長10回に痛恨の3ラン被弾。4連覇に続いて2位の座まで逃した。94年に最終戦で中日を破って優勝を決めた伝説の「10・8」が、悲劇の記念日となってしまった。

 クライマックスシリーズ・ファーストステージを本拠地で開催するためのハードルは思いのほか高かった。最後のイニングを任せた守護神が同点打を許す。その裏の攻撃では1死満塁のサヨナラ機に長野と脇谷が凡退。冷静な原監督が思わず飲料の入ったペットボトルを投げ付けた。

 今季を象徴するドタバタ劇だった。好機にあと1本が出ない。守護神が崩れる。勝つべき試合を何度落としたことか。3月26日の開幕戦から積み重ねた79の白星は落合竜と同数。しかし、中日より2つ、阪神より1つ多い負け数の差がペナントの順位を決めた。

 試合後、傷心のG戦士がマウンド付近に整列した。選手会長の内海が両手で握り締めたのは4月7日に他界した木村拓也コーチのユニホームだ。マイクを握った原監督が声を絞り出す。「4連覇という目標のもと、誇りと緊張感をもって全力で戦いました。しかし、勝つことはできませんでした」。1年間の感謝を込めたあいさつに笑顔はなかった。

 連続日本一へのチャレンジは敵地甲子園から始まるイバラの道。「この悔しさをバネにして、クライマックスでは暴れます!」。指揮官は最後の言葉にありったけの力を込めた。G党の熱い声援に応えるには、再び日本シリーズで東京ドームに帰ってくるしかない。 

  (井上学)

 

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